多様な活用が可能なビジネス向けドローンプラットフォームを発表
リベルダージ合同会社(以下、リベルダージ)は従来の自動航空では実現できていない障害物の回避や情報を選別した撮影データのクラウドへのアップロードなど、より高度な航路の設定を可能とするエッジコンピューティング搭載型ドローンプラットフォーム「エッジドローン™」を開発し、実証実験がスタートした。
また、日本で唯一ドローンビジネス向けのドローンスクール管理団体である「ドローンビジネスアカデミー」を有し、オートパイロットによる運行管理や管制コントロール、業務プロセス管理の各システムを提供している。
■現状のクラウドコンピューティング型ドローンの自動操縦
現在ドローンの自動飛行の仕組みは、クラウドコンピューティングの技術が使用されている。データの保存容量や処理速度が機体に依存しない、あらゆるデータを複数のデバイスに利用できるというメリットはあるが、インターネットへの接続が必要であり、センサー情報をリアルタイムに収集し、判断するといった運用が難しい。
また、クラウドコンピューティングでは、安全面やセキュリティ面の課題から自律制御可能な自動飛行ドローンを実現することは難しい。

現状のクラウドコンピューティング型ドローンの自動操縦アーキテクチャ
エッジコンピューティング型ドローンは従来の自動飛行で実現できていないドローン自体が自律的に判断した障害物や他ドローンとの衝突回避や用途に応じた撮影データのクラウドへのアップロードなど、より高度な航路の設定を可能している。
また、センサーやカメラで取得したデータの暗号化やクラウドにアップロードした上で削除するなどドローンに対して高度なセキュリティ対策も行う。今後ドローンの飛行が増えることにより、自動車の自動運転以上の安全性が求められる。しかし都度クラウドコンピューティングにアクセスするには判断が遅れることや、飛行経路によってはアクセスそのものが出来ない環境下であることも考えられるため、あらゆる環境下、状況下においても確実に安全な飛行を実現するためには現場で自律的に判断する仕組みが必要不可欠となる。
■純国産のエッジドローン™のプラットフォームアーキテクチャ
エッジコンピューティング搭載型ドローンプラットフォームであるエッジドローンは、フライトコントローラーに専用のAI機能を持つエッジコンピューティング型のIoT統合ソフトウェアプラットフォームを組み込んだソリューションだ。
搭載可能なドローンは3DR社のPixhawk2やParrot社のBebopのようにLinuxを搭載したオープンプラットフォーム(Dronecode 等)のフライトコントローラーであれば全て搭載可能で、DJI社のようなクローズドプラットフォームのフライトコントローラーにはオプションで別途機器を取り付けることで搭載が可能となる。
また、運行管理や管制管理、エッジコンピューティングのプロセス管理、業務プロセス管理を行うUTM(UxV Traffic Management)にはエッジコンピューティング型ドローン専用のUTMが必要となり、こちらもエッジドローンのプラットフォームで提供ししている。
■エッジドローンの特長
エッジコンピューティングによる高度な自動操縦 |
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セキュリティ対策 |
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柔軟なプラットフォーム |
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■エッジドローンの主な機能
機能 | 内容 | |
1 | 自動飛行 |
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2 | 障害物回避 |
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3 | 自律撮影 |
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4 | 自動航路化 |
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5 | セキュリティ対策 |
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■エッジドローンの主な活用例
プラットフォームであるエッジドローンは、あらゆるドローンの活用に役立つが、その中でも代表的な活用例として以下がある。
なお、リベルダージはプラットフォーム提供のみで、エッジドローンを活用したソリューションの提供はバスロケーションシステムのMaaS事業でIoTに関して実績を持つアーティサン株式会社(以下、アーティサン)が行っている。
空撮 |
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農業・漁業 |
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運送 |
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建設・土木 |
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災害調査 |
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警備 |
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その他 |
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■エッジドローン™の今後の展開について
エッジドローンはAI(人工知能)を活用したプラットフォームであるため、現在いくつかの用途で実証実験を行っており、データ学習とチューニングを行っている。
2019年内には実証実験を終え、2020年に一般リリースを行う予定。
■ドローンビジネスアカデミー(UBA)によるエッジドローン専用トレーニングコースの提供
エッジコンピューティング型ドローンについては従来のクラウドコンピューティング型ドローンとは全く異なる機構で動作するため、専用のトレーニングが必要となる。
そのため、ドローンビジネスアカデミーでは応用操縦士コースとして、順次エッジドローン向けの操縦士や安全運行管理者、システム運行管理者の育成トレーニングコースをリリースしていく予定だ。
※ UBAの応用操縦士コースを受講されるには、UBAの基本操縦士コースを受講していることが前提なる。