スマート農業の現場からの声
■スマート農業実証プロジェクトとは
スマート農業実証プロジェクトは、ロボット、AI、IoTなど先端技術を生産現場に導入・実証し、経営効果を明らかにし情報発信することで、スマート農業の社会実装を加速化することを目的とした事業。
白石農園(北海道新十津川町)
・農薬散布ドローンにより、従来と同じ時間で2倍の面積の作業が可能。
・スマート農機の活用により、朝晩の労働時間が少なくなり、空いた時間を利用してトマト栽培へ注力し、収益を向上。
・(スマート農機導入は)確実に労力の軽減や効率化に繋がる。毛嫌いせずに挑戦する価値がある。
(株)十三湖ファーム(青森県中泊町)
・自動直進可変施肥田植機では、最初にA地点とB地点を登録すれば、風が強いときでも自動でまっすぐ進むので扱いやすい機械。施肥ではムラ直しもない。
・自分の目でみて感じる生育状況とデータでは、自分が思っていたのと全然違う。スマート農業技術を活用すればもっと多く作れる。
(有)横田農場(茨城県龍ヶ崎市)
・栽培管理システムが算出する追肥の量が正しいのか疑問に思ったが、結果を見るとそれがなかなか良かったりした。自分たちの経験だけでは発想しないアイディアを提案してくれるところが面白く、役に立つ。
・新しい技術がより発展して現場に浸透することで、(作業の効率化や収益性の向上が期待できることから、)今後、一経営体1,000haとか2,000haという規模が現実となるのではないか、という雰囲気が出てきている。
(株)ライス&グリーン石島(茨城県下妻市)
・作業工程の見える化により、関係者間の情報共有や(過去のデータに基づき)次の作業工程を組み立てることができるようになった。
・作業工程の「見える化」により(効率化を図ることで)コスト削減ができる。
・多収穫品種とスマート農業の活用により、競争力ある輸出用米生産に取り組みたい。
(有)米八(新潟県新潟市)
・圃場の筆数が多く点在しているため、従前は間違えて代掻きや田植えを行うなどの間違いがあったが、営農管理システムの活用により、間違えず、だれでもその圃場に行ける。それが一番役に立っている。
・(スマート農業技術に懐疑的だったが、)実際に使ってみたら、良くて手放せない。
(農)夢耕坊(石川県白山市)
・(農薬散布)ドローンの活用により、自動でムラなく行え、労働時間の削減ができた。また、身体の維持管理もしやすくなった。
・(ドローンは)日々経験を積んでいけば、60歳を超えていても十分に操作飛行が可能。
・(実証を)1年やってみて、効果が出てきているので、(周囲の農家にも)広く勧めたい。
(株)Amnak(兵庫県養父市)
・スマート農機によって、かなりキツイ労働が軽減(草刈り:9時間/人→80分/人)され、社員のモチベーションが向上。収量の確保や品質の向上が期待できる。
・昔ながらの農業も大事だが、スマート農業技術を取り入れて産地として生き残っていきたい。
・自社だけで山間地の農業を担っていくのではなく、集落の皆さんと共生しながら、持続可能な山間地における農業経営モデルを確立し、発信していきたい。
(農)寄江原(岡山県真庭市)
・(南北に長く、標高差もある地形の特性を活用し、極早生品種と中生品種でのスマート農業機械シェアリングを実施。)直進キープ付田植機を近隣の市町村でシェアリングを行った。1箇所で使うより減価償却費を大きく削減でき、稼働率も上がるので(スマート農業技術普及のために必要なコスト削減の)効果があると考える。
■農業者の概要
農林水産省はスマート農業をより一層広めるための今後の検討の参考とするため、どんな課題があるのか、どんな取り組みが必要かなど、アンケートを実施している。アンケートには農林水産省の下記HPから回答可能。