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レーザー搭載ドローンで山岳遭難者探索システムの確立を目指す

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個人を識別しながら遭難者を探索

レーザー搭載ドローン

近畿大学(大阪府東大阪市)は、株式会社アミューズワンセルフ(大阪府大阪市)と共同で、レーザー搭載ドローンを用いた山岳遭難者探索システムを平成30年(2018年)7月から開発をスタートした。9月26日(水)、理工学部電気電子工学科教授 前田佳伸らは、能勢高原フィールド(標高550m)で遭難者の探索実験に成功した。今後、改良を行い、製品化を目指していく。

【本件のポイント】
●無人ドローンから再帰性反射ウェア※1 を装着した遭難者に向けレーザーを放射し、探索
●QRコードなど個人識別コードをウェアに付加することで遭難者個人の特定も可能
●山岳遭難者の新しい探索システムに向け、製品改良を重ね今後の製品化を目指す
※1 レーザーが照射された方向に反射光を跳ね返す性質を持った素材を組み入れたウェア

【本件の概要】
本学理工学部電気電子工学科教授 前田佳伸(専攻:光エレクトロニクス)らは、レーザーを搭載した人工衛星による水棲生物の追尾システム(宇宙マグロプロジェクト)の開発をしており、本システムで、その技術を山岳遭難者探索に応用。

本学と共同開発しているアミューズワンセルフ社は、ドローン用計測機器である小型軽量・高精度なレーザースキャナーシステム「TDOT ※2」の開発をしており、そのシステムを本実験で用いている。山岳遭難者の探索には、一般的に有人ヘリコプターが用いられているが、悪天候による二次遭難や高額な費用が大きな問題となっている。

一方、今回使用したドローンの場合、雪などの悪天候や強風(20m程度)にも耐え、また墜落した際の負担も少なく済むため、多くの場面で活用が期待される。本実験では、アウトドア総合ブランド「mont-bell」から再帰性反射材がついたウェアの提供を受けて遭難者に身に着けてもらい、上空(約150m)を飛ぶドローンからレーザーを投射する実験を行い、本手法の有効性を実証した。また、ウェアに個別コードを付けることで遭難者個人を特定することが可能であることも確認。今後は、製品化を目指し個人識別コードや、レーザーシステムを遭難者探索専用に改良する。
※2 ドローン用に開発された、重量約1.8kgのコンパクトなレーザースキャナーシステム

【宇宙マグロプロジェクトについて】
絶滅危惧種であるクロマグロを次世代に残すための資源保護策が求められている現在、回遊ルートや産卵場所の特定など、詳細な生態調査が求められている。しかし、水棲生物の研究において現在主流の調査方法「データ記録タグ」を用いた手法は、魚の腹を切って体内に入れ込む、あるいは魚の背骨にワイヤーで括り付ける必要があり、遊泳時に大変な抵抗になるうえ、取り付け時の傷から死に至ることがあります。

そこで、「データ記録タグ」の代わりに反射材を水棲生物に取り付け、人工衛星から照射したレーザーの反射光で水中の生物の動きを把握できる調査方法を、本学理工学部と農学部の学生が、共同で考案した。この方法では、反射材に薄いシート状の軽い素材を用いているため生物への負担を軽減でき、人工衛星を通じた長期間でのリアルタイムな追跡記録も行うことが出来る。

また本プロジェクトでは、平成30年(2018年)4月18日(水)~5月31日(木)の間、人工衛星の製作費用を募ってクラウドファンディングを行い、618,000円の支援を調達した。今後は、最終目標である宇宙からレーザーを照射し、広範囲に追跡できる新たな生態調査方法の開発を目指す。

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この記事は私が書きました。