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広域飛行を行える国産機!エアロセンスから新型VTOLドローン販売開始!

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長距離・広範囲を観測できるVTOL機を販売開始

新型機『AS-VT01』

8月6日、エアロセンス株式会社は創業以来開発に取り組んできた垂直離着陸型固定翼(VTOL)ドローンの新型機『AS-VT01』を発表し、販売を開始した。垂直離着陸機能と固定翼を有する本機は100km/hに及ぶ高速飛行と、約40分の飛行時間を可能にした。国産の新産業機として注目される本機の性能を、記者発表会の内容とともに解説する。

●Written by 井口隼人(Inokuchi Hayato)

固定翼と垂直離着陸機能で様々な用途に対応した「AS-VT01」

本機の大きな特長は、マルチコプターの垂直離着陸機能と、高速の水平飛行を可能にする固定翼を両立している点だ。マルチコプターと同じように離陸時は垂直に上昇し、上空で水平飛行に切り替える。着陸時は上空で減速し、垂直に降下していく。

推進器は垂直飛行時に使用する4つのローターと、機体後部に水平飛行時に使用するのローターを1つ搭載。固定翼はマルチコプター機と比較して飛行速度と飛行時間に優れるが、離着陸に滑走路を必要とする。本機はVTOL型にすることで、その問題を解決している。

ボディには軽さと剛性を備えた繊維強化プラスチック(FRP)を使用。翼幅2mながら、機体重量はバッテリーを搭載しても8.54kgと軽量であり、一人で持ち運び可能だ。

AS-VT01を持ち上げるエアロセンス株式会社の佐部浩太郎代表

また、翼は輸送を簡易化するために、分解できる設計とした。運行用のアプリケーションはノートPC一台で運用できるため、場所を選ばず様々な用途に活用可能だ。

目視外飛行を想定した長距離飛行機体

本機はモバイル通信ネットワークに対応している。携帯電話の電波網を活用した通信方法は、Wi-Fiや2.4GHz帯の無線を利用したドローンよりも長距離の通信が可能となる。最大飛行距離は50kmに及び、水平飛行時は100km/hの高速飛行を行う。速度と飛行距離を活かすことで、従来は複数回の飛行が必要だった広域での業務を本機一機で遂行できる。2.4GHz帯の長距離通信も搭載しているため、LTEを使用できない環境でも飛行可能だ。

また、本機はエアロセンスが開発してきたプロトタイプから、ローターの配置を変更している。プロトタイプでは同一のローターで水平飛行と垂直飛行を行っていたが、本機では飛行モードごとに独立したローターを使用。

2018年3月福岡での実証実験に使用された従来機(プロトタイプ)

飛行中に水平飛行用のローターが故障した場合も、垂直飛行用のローターを使用し、安全に着陸可能だ。目視外飛行を想定した本機は、自動帰還・着陸システム、自律飛行中の手動操作への切り替えによって、安全性を確保している。

リモートセンシング事業での利活用を進める

可視光カメラとマルチスペクトルカメラを搭載した本機は、測量・点検や精密農業での活用が見込まれている。通常のドローンに比べて広域をカバーできるため、広範囲の測量や長距離の河川や道路の点検、大規模農地の観測で大幅なコストカットが可能。

また、機体制御にはNVIDIA社の高性能GPU『Jetson TX2』搭載し、自社製のフライトコントローラーと同一基板で統合。オンボード上で自律飛行制御や様々なデータ処理が行える。1kg以内なら追加の機材やセンサーを搭載できる拡張性も備えており、リモートセンシング市場におけるセスナなどの需要を置き換えられるとエアロセンスは見込んでいる。

エアロセンスの目指す新機体の展望

エアロセンスでは、農業分野で本機と自動散布機「ブロードキャスター」を連携させたスマート農業を模索している。大規模な圃場をカバーできるVTOL機は、一度のフライトに対する費用対効果が高く、今後2年間の北海道での実証実験を通して経済効果を検証する予定だ。本機の販売台数については、資本業務提携を行っている住友商事株式会社などと協力し、1年で国内販売台数100台の売り上げを目標としている。
現在、海外製のドローンに対してセキュリティ上の懸念が指摘されており、公的な現場での使用を控える動きが続いている。VTOL機は海外製の機体があるものの、「性能面でも本機はハイグレードかつ安価だ」とエアロセンスの佐部浩太郎代表は説明した。国産機である本機は、セキュリティ上のソリューションを満たせる一機であり、今後の国内での利用が注目される。

本機の販売価格は税込み550万円、2020年10月から提供開始予定。

@エアロセンス株式会社

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この記事は私が書きました。