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相棒はどれだ!DJI認定ストアに聞く最新ラインナップの選び方

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家電量販店にショッピングを楽しみに行くと、”ドローンコーナー”と書かれた看板が目に飛び込んでくる機会が増えてきた。立ち寄ってみるとDJIのドローンはもちろんのこと、色とりどりなトイドローンまでラインナップされている。それを見て「形、機能、サイズ、デザイン、安全策、こんなにも面白いドローンがたくさんあるのか」と思い知らされる。

だけど、やっぱり最後に見渡すのは憧れのあるDJI製品。
Mavic Airの登場もあって、数年前に比べるとラインナップが大幅に充実したことが分かる。選択肢が増えることは喜ばしいこと。しかし、購入者としてその場に立つと、どれを買おうかと選択肢に頭を抱える点も多い。そこで、DJI販売のプロフェッショナルが集まる”DJI認定ストア新宿”にドローンの選び方についてアドバイスをもらった。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 飛澤 慎(Makoto Tobisawa)


DJIの認定ショップ第一号をきっかけにスタート

DJI認定新宿ストア
東京都新宿区新宿1-2-9 JF新宿御苑ビル2階

新宿御苑前駅から大通り沿いを数分歩いたところに、DJIの看板とガラス張りのDJI認定ストア新宿が見える。

ショップはビルの2階にある

DJIの認定ストアは北海道、関東、大阪など国内に約6件ほど展開している。認定ストアとはDJI製品のみを取り扱い、DJIから提供されるシュミレーターを設置していたり、DJIの公式イベントを開催しているショップだ。

 

有限会社Y.D.S及びDJI認定ストア新宿を運営する八島伸行氏

今回、出迎えてくれたのは、DJI認定ストア新宿のオーナーである八島伸行氏。DJI認定ストア新宿を運営する以前から映像制作に深く携わり、2005年には映像機材のレンタルや映像制作を行う有限会社Y.D.Sを設立した。

そのような経緯からも、地上のビデオカメラにおいてプロフェッショナルな腕前を持っているのはもちろんだが、八島氏はドローンにも早くから参入していた。DJIが上陸する以前のドローンは、今でいう産業機と同じくらいハードルが高く感じられるものが多かったが、DJI Phantom 1が発売された時に「これなら手軽に始められそうだ!」という直感からドローンを始めたという。

ストアにはラインナップの実機を展示
実際にドローンに触れることができる

レンタル機材と映像制作、さらにはドローンを早々から始めていたこともあり、DJI 本社(深圳)から「“認定ストア第1号店”としてショップを出さないか?」と誘いを受け、「国内初の第1号店ならば始めてみよう」という意気込みで2016年にDJI認定ストア新宿はオープンすることとなった。

映像制作では、バラエティー番組「たけしのスポーツ大賞」や「ソノサキ」さらにはAmazonプライムビデオで配信された「戦闘車」の撮影も引き受けたんだとか。まさに映像制作+空撮の第一線を担う八島氏。業務実績を聞くだけでもすごいの一言に尽きる。

 

コンシューマー向けの機種が充実したDJI

——気が付けばDJIのドローンはラインナップが大分増えましたね。こうしてショップに並んでいるのを見渡すと、より一層選ぶのに迷ってしまうくらいに。

八島:ここ数年で一気に増えました。とくに新規で購入を考えている方はSpark(6万5800円)、Mavic Pro(12万9800円)、Mavic Air(10万4000円)、Phantom4(15万9000円〜20万4000円)の4機種でどれを選ぶか悩まれます。
※価格は税込価格

 

——おそらく最新モデルのMavic Airに注目が集まると思いますが、八島さんから見てMavic Airはどうでしょうか?

八島:スマートキャプチャーの進化はすごい!と感心しました。手の動きをしっかり認識することで本当に思い通りに動かせます。SPARKと比較して格段に認識の精度が向上しています。

それに、Sparkでは近くに寄せる時や遠くに飛ばす場合は手をかざしながら自分が動かないといけなかったのが、Mavic Airだと一歩も動かずに操作できてしまいます。見た目はおもちゃっぽいけど本当に良くできています。

——私もMavic Airのフライトを体験しました。これなら初心者でも手軽に飛ばせる!と思いました。これだけ完成度が高いとMavic Airをサブ機として、業務で活用することもできるのではと思いますが?

八島:なかにはメインのドローンに万が一なにかが起きた時のために、Mavic Proをサブ機として持ち歩いている人も多いです。Mavic Airを業務活用するのであれば、Mavic Proを持ち歩くことをおすすめします。

——え?そこはMavic Proなのですね…?Mavic Airのほうが価格は安いけど、実はカメラの性能は高いはず…。

 

八島:カメラの性能で比べれば確かにMavic Airのほうが優れています。しかし、今までの経験から言うと、業務の現場ではカメラの良い悪いよりも、飛行時間のほうが重要だと思っています。

もちろん、業務として飛ばすのであれば同じ機体をサブ機として2台持ち歩くのが一番望ましいですけどね。Mavic ProやMavic Airであっても何もないよりは助けにはなります。

 

カタログ値で言えばMavic Airの最大飛行時間は約21分。一方Mavic Proは約27分。おおよそ5分の違いだが、5分くらいではたいして変わらないのでは…?と業務として飛ばしたことのない私は思った。

 

映像のクオリティーより優先する物事もある

——業務フライトにおける1分というのは、それほどまでに大きなものなのでしょうか?

八島:チャンスが一度しかない撮影等も中にはありますよね?リハーサルを終えて立て続けに本番!という時にバッテリーアラームが鳴り始めてしまったら…?あと5分飛ばせれば撮れるのに!!とか、バッテリーを交換している時間などない!!というシーンも少なくありません。

それからこのバッテリーのアラーム機能は集中力に負担を与えます。遠くで飛ばしている場合には撮影後に戻ってこれるのかが心配になりますし、飛ばしている最中も焦りや緊迫感が出てきます。

撮影は精神面に余裕があることが第一です。焦りなどが生じると、いくらカメラが高スペックであっても、映像に気持ちのブレが現れてしまいます。なので飛行時間の違いはたった1分であっても結構でかいと経験から学びました。

——たしかに精神的余裕=安全面と考えるうえでもリスクを考えて飛行時間を優先するべきかもしれません!

八島:それに、Sparkは別として、MavicシリーズやPhantom4はすべて4K撮影が可能ですよね?

——そう!それを前から思っていました。もはや「Mavic Airのカメラが少し高スペックです」と言われたところで、4Kに変わりはないしMavic Proでも十分綺麗な映像が撮れると思います。

八島:DJIのドローンにはかなり高スペックのカメラが搭載されているので、正直カメラの違いというのはそれほど気にならないレベルにまで到達しています。

DJI認定ストア新宿ではカメラの違いを確認できるように、各機体で撮影した映像サンプルを用意しています。見比べてみれば、もちろん鮮明さや綺麗さ等の違いは出ます。しかし、見比べてみて初めて気づくことの方が多いかもしれません。

また、機種選びではカメラの違いのほかに、ジンバルの違いも知っておくと良いでしょう。Mavic Airは構造上の問題かもしれませんが、風が強いところではジンバルが煽られてしまうことがあります。なので一瞬、映像がカクッとブレることが稀にあるのです。逆にMavic Proはジンバル部分が飛び出した構造になっているので、墜落してしまった場合はジンバルが真っ先に壊れる可能性が非常に高いです。Sparkはそもそも2軸なので、やはりMavicシリーズには劣ってしまいますね。

 

八島:ちなみに、Mavic AirとMavic Proで悩む人が多いと思っているでしょう?

——まさに今回の企画は、その部分を解消したく八島さんにお尋ねに来ました。

八島:実は意外とPhantom4とMavicシリーズで悩む人が多い傾向にあります。Phantom4のカメラはMavic Proと比べると、センサーサイズが大きいこともあり、見比べると確かにPhantom4 Proの方が綺麗に撮れます。なので、どうしても映像を重視したいという方にはPhantom4をおすすめしています。

そしてPhantom4を買う人は必ずといってPhantom4 Proを買っていきます。私としてはPhantom4 Advanceで十分だと思うのですが…(笑)

それから、カメラで言うと映像の綺麗さのほかに、私は画角の広さで選ぶこともあります。やはり、画角が狭いと被写体を捉えるのも難しくなってきますからね。

ということでカメラについては映像の綺麗さをとことん重視する人でなければ、どの機種を選んでも満足できないということはほとんどありません。趣味としてYoutubeにアップして遊びたい!というくらいであれば、4Kなど必要なく、Sparkでも十分綺麗な映像が楽しめてしまうのです。

 

——ここ数年のカメラの進化って本当に凄まじいですね。1眼レフカメラを選ぶときに私はもはや画素数など気にしない…どちらかというと使い勝手や機能面のほうが大事かなと思っています。

八島:機能面で言えばMavic Proの購入を考えている人には、静音性が向上したMavic Pro Platinumをおすすめしています。ドローンを初めて見る・飛ばす人には音による威圧感や不安は大きいと思います。所有者はフライト回数を積めば慣れてしまいますが、外で飛ばすとなると一般の人も周りにいるかもしれません。そういう方に不安を与えないためにも静音性は大事なのです。

また、安全性は業務と趣味関係なく一番重要といえます。そこで、Mavic Proのオプションパーツの豊富さもMavic Proを選ぶひとつの要因になると思います。

例えば、Mavic Proにはプロペラが剥き出しにならないようにするプロペラゲージ(税込2万600円)がリリースされています。初めてドローンを飛ばす人はもちろん、環境によっては業務でも必要となってくることでしょう。ただし、ここまで面積が増えると風には煽られてしまいますが…。(笑)

——ここまでプロペラを覆ってしまう作りであれば、プロペラによる危険性はだいぶ低減できますね。

 

誰でも手軽に遊べる要素を詰め込んだMavic Air

——ではMavic Airはどんな方におすすめの機体といえるのでしょうか?

八島:Mavic Airは先ほど話していたとおり、使い勝手や機能面という点を重視する方におすすめしています。Mavic Proよりも小柄でコンパクトなので、旅行のお供にはぴったりですよね。それに扱い方もとても簡単なので、初めて飛ばす人でも気構えることなく遊べると思います。

それから、Mavic Airに搭載されたスフィアモードやブーメランといった撮影機能も魅力的です。インスタ映えする写真を撮りたい人や旅先で自撮りを楽しみたい人は間違いなくMavic Airでしょう。

 

——遊びで使いたいという人にはやっぱり打って付けですね。では、機能面やカメラのほか、操縦性という点においてはどうでしょうか?

八島:Mavic ProとMavic Airで比べると操縦性という点ではそれほど大きな違いはありません。身も蓋もないですが、飛ばせばだいたい一緒です(笑)。動きの速さなどは設定で変えることができますし…。

操作性というよりは”飛行”という話になりますが、空撮をしていると、もうちょっと遠くに飛ばしたいと思うシーンがあるかと思います。例えばスパークで飛ばした時、近くにほかの機体があると30〜50mほどで電波状態が悪くなり、Go-Homeがかかってしまうことがあります。Mavic Proはその辺りがとくに強いのです。もちろんスペック上でも最大伝送距離はMavic Airに比べてもMavic Proのほうが上回っています

Phantom4とMavicシリーズで悩んでいる人で言えば、GPSが切れるか切れないか?は大きいですよね。MavicシリーズはGPSを切ることができませんが、場所によっては、GPSが入らない所もあります。飛行中にGPSをロストすると意図しない動きをしてしまうこともあるので、怖い思いをする人も少なくないのです。

——その手のトラブルはよく耳にしますね。ところで、空撮のほかにドローンの操縦そのものを楽しむ人もいますよね?GPSが切れない機種でも操縦練習にはなるのでしょうか?

八島:全然練習にもなるし、楽しむこともできますよ。ただし、DJI CAMPに挑むとか、難易度の高い操縦を求めるのであれば練習にはならないかもしれません。あくまで基本操作の練習、感覚をつかむ程度のことであれば、GPSが切れなくても問題ないといえるでしょう。

DJI認定ストア新宿では体験スペースも設けていますので、購入前に実際飛ばしてみることを強くおすすめしています。私は操縦性において「だいたい一緒」と述べてしまいましたが、やはり飛ばしてみた時のフィーリングやドローンを飛ばした時のサイズ感、プロペラの音など、飛ばしてみないと分からないことも多々あります。

 

——たしかに、実際に飛ばしてみて初めて分かるフィーリングってありますよね。最近気づきましたが私は操縦だけでいえばSparkが一番クイックでスイスイ飛ばせて楽しいなとか…。それでは最後に、八島さんの“今最もおすすめたい機種”とはどれでしょうか!?

八島:一番のおすすめと言われれば、やっぱりMavic Airです!コンパクトにたためるし、プロペラガードが標準で付属している。そしてコストパフォーマンスにも優れている。醍醐味であるカメラ性能においては十分すぎるクオリティーと機能性を備えています。

ただ、私がおすすめするのはMavic Airですが、機種選びにおいてはドローンを買って何をしたいか?何を一番重要視するか?を考えて、それに見合う機種を選ぶのが良いと思います。

そして、購入する際はどの機種であっても予備バッテリー等の+αの付属品が付いてくるコンボセットがおすすめです。有意義にドローンライフを送ろうとすると、結局最終的にはコンボセットの内容を集めることになりますから(笑)。

 

と話してくれた八島氏だったが、なにやらスパッと冴えずに躊躇した表情をしている。どうしたのだろう?と思ったところ、八島氏は最後に一言付けくわえた。

 

八島:Mavic Airがオールラウンドに優れているのは確かです。DJI認定ストア新宿としてもおすすめしたい商品なのですが…。実は想像以上に人気があり、出荷が間に合っていないのです。中国の春節前にドサッと入荷したのにも関わらず、予約注文が多く出荷待ちが続いています。(3月初旬)

それでも注文は常に受け付けていますし、店舗にはデモ機も用意しているので遊びに来て実際に触れてみてほしいですね!


空撮現場の数をこなしている八島氏だからこそできるアドバイスはとても勉強になることばかり。経験の浅い私だったらスペックを見て、こっちのが優れてるから!と単純に飛びついてしまう。

ラインナップが増えるということは、それぞれの機種になんらかの個性や特徴が詰め込まれている。価格や見た目の格好良さだけでなく、自分がどの特徴を重視するのか?を今一度考えてみてほしい。


■取材協力
DJI認定ストア新宿

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。