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ドローンでスポーツカーを撮れるのか!?サーキット走行会の空撮に挑戦!

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ドローンに興味を持った読者の皆さんは、一度は素敵なロケーションや面白い被写体を空撮することに憧れを抱いたことだろう。いつか撮ってみたい被写体として、”かっこ良く走り抜けるスポーツカー”を想像した人は、私を含め多いはず。そこで、「ドローンでスポーツカーを撮影できるのか?」という疑問を解決するべく、実際に挑戦する人たちの体験記をお伝えしよう。それでは、どうぞ!

●Written By 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo By 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)/青山 祐介(Yusuke Aoyama)


“サーキットならドローンで色んな絵が撮れるよな…”
と想像しながら私はここにいた。

車、バイクのサーキット入門者に人気のある袖ヶ浦フォレストレースウェイ

車とバイクを愛する人のために作られた、日本ではわりかし新しいサーキット。
私もバイクが好きで何回か訪れた馴染み深い場所だ。

だけど、今日の主役は車でもなく、バイクでもなくドローン!

実は以前に、サーキットでドローン撮影を何度か検討したことがあるが、危険なことが多いこともあり、受け入れてくれるサーキットは少ない。サーキットでドローンを飛ばせること自体、貴重な体験なのだ。

そんな貴重な体験ができちゃう今回のイベントがこちら。

【ワンスマ×DRONE★VILLAGE主催】
サーキット走行ドローン撮影練習会


千葉県八千代市にあるドローンのための複合施設ドローンビレッジとドライビングレッスン団体のワンスマが協力することで開催に至ったイベント。ドローンビレッジではスポーツカーを撮影してみたい人を募り、ワンスマではドローンに撮られたい人を募ることでマッチングした一般人が参加者となる。なお、今回のイベントは初の試みであり、試験的なものなので参加者の一般公開募集を行わなかった。

▼DRONE★VILLAGE(ドローンビレッジ)
無人航空機の安全に関わる知識と、高い操縦技能を有する人材の養成を行う複合施設。JUIDA認定制度に基づいたカリキュラムを学ぶことができ、飛行練習場とセミナーハウスを完備している。また国土交通省による全国包括許可を取得しており、撮影、点検等、業務フライトも承っている。関東圏において、名の通ったドローン練習場。

▼ワンスマ
世界選手権WECやルマン24時間レースで活躍するレーサー澤圭太選手が楽しくドライビングを指導する、少人数制の本格ドライビングレッスン団体。サーキットで色々な楽しみ方を提案、模索している。

しかし、サーキットでドローンがなかなか受け入れられないことを知っていた私は
「どうやって許可を得たのだろう?」と疑問に思っていたが、答えは簡単でした。

エンタメ企画にも常に真剣に挑む
プロレーサー 澤圭太選手

“やはりレーサーの力は偉大”

ワンスマを主宰する澤選手がサーキットと顔なじみなのだ。もちろん、顔なじみなだけでなく、澤選手の信頼度やドローンビレッジの安全管理力を踏まえてのことである。

なので、もう一度言っておくと、サーキット走行ドローン撮影練習会は、この2社のタッグなしでは実現しない貴重な体験会なのだ。

そして、このイベントのもう1つの魅力はコレ。

ホンダ最高峰のスーパーカー「NSX」

ドローンビレッジが用意する新型NSX(2370万円)を澤選手がドライブしてくれる。
車好きな人からすれば、とても豪華なシャッターチャンス。

ドローンで撮影する参加者にとっても絵になる被写体を用意してくれるのは、とても魅力的だ。そういった参加者のモチベーションを上げるプレゼントも、撮影する側の気持ちを理解するドローンビレッジならではの企画力にある。

今回、ドローンの撮影に集まった参加者は9名。

記念すべき第1回目に参加した皆さん

当初は4名の募集でスタートしたが、反響が大きく参加者枠を広げることになった。

フェイスブック上で応募を募ったところ、47名がイベントに興味有り!と手をあげた。
なお、参加費は税込3万円。

今となってはレアなオーラを放つ旧型NSX
そのほかにも、ジャガーやBMWなどの外車が参加

走行会に参加するドライバー6名はワンスマの常連客で、ドローンを初めて見る人も少なくない。

走行会に参加する車は、高級スポーツカーが多く、偶然にも旧型NSXもエントリー。

ドローン空撮の成功の秘訣は事前準備

注意事項や質疑応答を行い、万全な状態で挑む

初めに、一歩間違えれば危険が伴うイベントなだけに入念なミーティングが行われる。ドローンフライトには、ビジネス・ホビーに関わらず事前の確認や撮影イメージを想像することが重要なのだ。

参加ドライバーにもドローンの説明をする澤選手

ドローンを飛ばす場所の確認、スケージュールの確認、トラブルが起きた場合の対処方法、肖像権の問題、サーキットの旗の意味を理解する、といった確認をワンスマとドローンビレッジの決定事項をもとにミーティングする。

ドローン×???の撮影をするのだから???の最低限の知識を踏まえておくことも大事なのだ。

撮影に挑む前には機体の調子、設定をしっかり確認すること

ドローンの機種については、とくに規定は決められていないので、参加した機種はマヴィックPRO、ファントム4、インスパイア2とコンシューマー機からプロ機まで幅広い。

空撮時の機種選びは、周りの環境、移動手段、被写体、求めるクオリティーなど、考えるポイントが数多く存在するので、”絶対コレ!”といえる答えはとくにないのも面白いところ。

撮影地点によって撮り方を考える楽しさを味わう

撮影できるポイントは全部で3ヶ所。

袖ヶ浦フォレストレースウェイのコース図

ホームストレート、5・6・7コーナー、9コーナーだ。

絵としてはあまり動きはないけど、被写体をとらえるには最も簡単に撮影できそうに思えるホームストレート。正面からズバッと駆け抜けるスポーツカーをパンして追いかけるとか、一緒に並走して追いかけよう!とか色々な絵取りの妄想がふくらんでいく。

“駆け抜けるジャガー”を待ち伏せするマヴィックPRO

そして、ホームストレートで参加者が撮影した映像がこちら。

映像を見ると車が来るのを待ちかまえ、パンする又は追いかけるという撮影方法がベターのよう。さすがに危険を伴うので、車にはそれほど近づけないけど一見バッチリ撮影できている!

ホームストレートでの撮影風景

せっかくなので参加した方々に意見を聞いてみました。

——ホームストレートで撮影してみてどうでしたか?

参加者:とても難しいですね。一見簡単そうに見えるでしょ?飛ばしてみると難しいんですよ。とくにフレームの真ん中に車をとらえるのが大変なんです!やっぱりプロの人たちはすごいなと痛感しました。

——それでは、どんなテクニックが必要なのでしょうか?

参加者:例えばパンで振った時にフレームイン、フレームアウトを常に注意していないといけないことですね。それと、手元のタブレット画面をついついジーッと見続けてしまうので機体を後退させて撮影するのは後ろが見えなくて、とても怖いです。なので、タブレット画面と実機をうまい具合に交互に見る技量が必要だと思います。

——ファントム4PROを使われていますが、機体の選択としてはどうでしょうか?

参加者:やっぱりスポーツカーだけあって、スピードについていけません!横から並走で撮影しようと試みましたけど、ストレートで150〜170キロ近く出ている車を追いかけるのは残念ながら不可能でした。初めてスポーツモードを使って見ましたが、それでも埋められない速度差ですね(笑)。

それでは次に、5・6・7コーナー。

直線から大きなコーナーに差し掛かる地点

このコーナーは直線の先が比較的大きいR(アール)になっていて、数台の車が並んで走っていると臨場感がわいてくるポイントだ。

早速ですが、撮影された動画がこちら

あんまり映像のバリエーションが撮れるポイントではないが、車との距離が近いのでインパクトは大きい。ついつい「いいよ、いいよ!」と言いたくなる。

こちらもコーナーで撮影していた参加者にインタビューしてみました。

——5・6・7コーナーで撮影してみてどうでしたか?

参加者:車のスピードに合わせて移動しながらパンさせるのは思った以上に難しいです。やはりドローンの練習で飛ばすのと被写体に狙いを定めて飛ばすのでは大違い!ただ、ホームストレートに比べるとコーナーの立ち上がりなので、車のスピードが出ていないぶん、追いかける・後退しながら撮ることはなんとかできそうです。とはいえ速いんですけどね…(笑)

そして、最後のポイントは9コーナー。

車との距離を縮めるインスパイア

この場所はタイトなコーナーなのでスピードが落ちるポイントとなっている。立ち上がりから最終コーナーにかけては直線になるので、コーナーをカメラワークで追ったあとにドローンで追跡して行く映像が撮れる。

車のライン取りはコーナーのインにつけて走るので、ドローンは外側に待ちかまえ、近寄りながら撮ることも可能だ。

と、客観的に妄想をふくらませるのは簡単だけど、実際には飛ばすのはとても難しい。

素材を提供してくれた参加者はドローンで追跡して撮るのは難しいと判断し、広い範囲で撮ることに専念したようだ。こうした行き当たりばったりの自由な撮影には、その場に応じて最適な絵を見つけ出すのも面白みのひとつ

最後の9コーナーで撮影した映像はこちら。

タイトなコーナーは車が小回りするのでフレーム内に常におさめるのはテクニックが必要。最後の映像のように真上から撮影するのもバリエーションを広げる手として面白い。

日本の空撮をみると斜め上から被写体をナメて撮る映像が多く感じる。海外で撮影したドローン映像をみると、真上から芸術的に撮っているものが多い。このあたりも美学に対する人それぞれの違いで興味深い。

では最後に、9コーナーの撮影について伺ってみました。

——9コーナーを撮影してみてどうでしたか?

参加者:ホームストレートに比べるとスピードが出ていないぶん、撮影しやすかったです。ただ、車を追跡するような撮影をしようとすると、ドローンを車に対して斜め方向のまま後退するので、まっすぐ後退するのが結構難しいです。それに、コーナーのアールが小さいので車に近づくとカメラのチルト操作も必要になるので、ドローンの移動+パン+チルトというとても複雑な動きで、もっと練習が必要ですね。

盛況な”サーキット走行ドローン撮影会”は第2回も計画中!

イベントを終えて撮影参加者と走行会に参加したドライバーに「参加してみてどうでしたか?」と投げかけてみると。

撮影参加者:サーキットで撮影ができるということで、興味本位で参加してみました。イメージしていた物より遥かに難しいものだなと思い知らされましたね。しかし、NSXまで用意してくれて、実際に映像を撮る体験としては最高でした。ぜひ、また参加したいですね!

走行会参加者:ドローンの実物を初めて見ました。想像以上に迫力あるんですね(笑)。とくにあのインスパイア!目の前に飛び込んでくるとびっくりしますが、だんだんと見慣れてきて、撮影されるのが気持ちよく感じます。ドローンが待ちかまえている地点ではカッコ良く決めるぞ!みたいな(笑)。ドライブする身としてもなかなかできない体験ができて面白かったです。撮影された映像が気になりますね。

色々なロケーションや被写体を撮影するイメージをふくらましても、実際に撮影してみるのとでは違うもの。イベントに体験することで気づくことも多いし、飛ばしてみることで分かることもたくさんある。

私は今回、取材という形でイベントの全容を眺めに参加させて頂いただけだが、ドローンスクールなどで学ぶ練習とは違い、実践の練習として得るものが多く、次回はフライトに参加したいと思えるイベントだった。それに、ドローン撮影の実践に慣れたドローンビレッジスタッフのアドバイスをもらいながら撮影に挑めるのもひとつの魅力である。

参加者の映像や撮影状況をみると「ドローンでスポーツカーを撮影できるのか?」という問いについては、飛ばしていない私が答えるのもアレだが、“撮影できる”と言って間違いないだろう。飛ばすのがうまい、下手をテーマにする前に、自由気ままに飛ばして楽しむことが重要なのである。

そしてもう1つ。

この試験的イベントではドローンビレッジによるイベントプロモーションの撮影を実施。

ドローンワールド全開! 撮影のおてほんとなるPV

小型だけどかなりパワフルなレース機
ほんとに車について行っちゃうのでびっくり

スポーツカーには並大抵のドローンではスピードが追いつかないのでレーサー機で撮影。
さすがドローンのプロ集団。準備がいい。
撮影に対する適正な環境を分かりきっている。

とにかくレーサー用だけあって、車のスピードにも追いつける点が映像としてとても面白い。ヒュンヒュンとターン、宙返りをしながら映像のバリエーションを増やせるので、この機体じゃないと取れないカメラワークも存在するほど。

パイロットはYoutubeチャンネル「SUSTOS FPV」を発信するドローンビレッジ出身のFPVパイロット。FPVレーサー機にGoPROを積んでスピード感あふれる映像を配信中。色々な撮影パターンを試行錯誤していて”すごい!!”の一言しかでてこない。

とても面白いので私もYoutubeチャンネルを登録。

では、本当の最後にドローンビレッジが制作する素敵なプロモーション動画をどうぞ!


■問い合わせ/取材協力/素材提供
ドローンビレッジ
ワンスマ
袖ヶ浦フォレストレースウェイ

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DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。