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ドローンが特殊な波動を鳴らす!?移動型の鳥獣害対策

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株式会社エイカーは鳥獣防除機器をドローンに搭載し、新たなドローンの活用法を提案している。今まで人間が物理的に行なっていた鳥獣害対策を自動で運用できる仕組みに変えられるチャンスが見えてきた。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


遠隔操作で自由自在に移動できる防除装置

電子精密機器製造メーカーの株式会社エイカーはバードプロテクターと呼ばれる鳥獣害対策用機器を取り扱い、これをドローンに搭載することで遠隔操作による鳥獣害対策が可能になった。

株式会社エイカーが開発するバードプロテクターは地上に設置して利用するスピーカー型の機器で、鳩やカラスのほかに、猪やネズミも追い払うことができる。近年では年々増加傾向にあるソーラーパネルの鳥獣被害が多くなっており、カラスによるイタズラや鳥の糞による被害などが報告され、対策が必要とされている。また、バードプロテクターは農園・果樹園、漁港・養殖場、飛行場(バードストライク対策)などで利用需要が多い。

株式会社エイカーが提案する製品はバードプロテクターをドローンに搭載して音を発しながら飛ばす。ドローンの飛行はそれなりに大きい音を発するのでかき消されてしまうのでは?と疑問を持ったが、バードプロテクターは特殊波動方式を採用しているので単純な音による対策とは異なる。従来は爆発音や超音波をスピーカーから発して利用していたが、特殊波動方式は鳥獣が嫌う不規則なパルスをプログラム上で生成し、毎回異なった高速パルスとして発する。なので、単純に人間が聞くことのできる音とは別に、鳥獣が感じ取れる特殊なパルスを使っており、このパルスは鳥獣が慣れることなく寄せ付けなくすることが可能だ。鳥は追い払われるとその場に戻ってくる習性があるが、バードプロテクターは躾効果もあり、繰り返し戻ってくることもなくなる。

以前はDJI Phantom3専用換装防除機として取り扱いを行なっていたが、現在はPhantom3の生産が終了してしまったので販売は行なっていない(当時のドローン込みの販売価格は45万前後)。現在は大型の産業ドローンを含めて次なる搭載機を検討していると言う。なお、Phantom3に搭載されているバードプロテクターはドローンを中心に7〜8mの範囲で有効だ。

バードプロテクターには特注となる大型の機器もあり、産業ドローンのようにペイロードが大きいものであれば、より有効範囲の広いものを搭載することができる。

ドローンに搭載することで遠隔操作となり、手軽で広範囲に移動することができることや、人が入りにくい場所での運用が見込めるが、最大の課題はバッテリーの問題だ。ドローンの運用は最大でも20分前後となる。地上設置型のバードプロテクターであれば、防除装置を作動させる乾電池又は12V電源さえあれば長時間の使用も可能。そもそも株式会社エイカーがドローンに搭載させようと考えたきっかけは、ドローンの話題性が高いことにあった。特にタイや韓国においては注目度が高く、国内でもTVの取材を受けて実際に姫路駅から姫路城の区間で運用実験を行なった実績もある。

上記のことからも分かる通り、ドローン搭載型よりも地上設置型の方が現状では理にかなっているが、将来性を考えれば有線給電のドローンを利用することや、バッテリーが進化することで鳥獣害対策としての活用幅は広がりそうだ。また、ドローンの飛行中に鳥が寄ってきてしまい接触事故につながるケースも極稀にあることから、小型化した防除装置を安全装置としてドローンに備えておくことも1つのアイデアとして考えられる。ドローンによる鳥獣害対策はドローンを活用したコンテストの種目としても取り上げられ、アプリケーションやAIと組み合わせた活用方法が登場している。今後も株式会社エイカーは多種多様な防除装置と共にドローンによるラインナップも検討していく。

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。