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EDACシンポジウム 完全レポート(Vol.2)

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前回(Vol.1)に引き続き、一般社団法人 救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC)主催のシンポジウム『地方自治体のドローン活用事例とその未来像について』の模様をお伝えする。

(4)「災害対応分野におけるドローン活用の取り組み」
□□□(株)ブイキューブロボティクス 代表取締役社長 出村太晋氏
(5)「エアロセンス株式会社の取り組みご紹介」
□□□エアロセンス(株) 取締役 COO 嶋田悟氏
(6)「地方創生に最適!21世紀の新スポーツ『ドローンレース』の可能性」
□□□一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA) 横田淳 副代表理事

【4】「業務を抜本的に変えるサービスを」
(ブイキューブロボティクス 出村社長)

株式会社ブイキューブロボティクス 出村太晋 代表取締役社長

第2部の最初に登壇したのは、(株)ブイキューブロボティクスの出村代表取締役社長。同社は2015年に創業され、産業向けドローンのサービスを提供している。「我々は、単に業務の効率化だけでなく、業務の高度化・先進化を目指している。つまり業務自体を抜本的に変えていくサービスを実現したい」と事業の方向性を示した。
特に『災害対応』『設備点検』『警備・監視』の3領域で、先進技術を使ったソリューションサービスを展開していくと述べ、「ドローン基地(後述)を中心に、映像解析による点検の自動化、センサー連携や基地同士の連携などが可能になる」と語った。
具体的な例として、ドローンのリアルタイム映像を共有し、コミュニケーションできるサービスのデモ・ムービーを公開。「これはドローンが写したのり面の点検の映像を、依頼主(注:写真右下)とリアルタイムで共有しているところ。こうすることで『もう少し右を見せて』など、コミュニケーションを取りながら通常の目視点検と同じことができる」と述べた。また、これらの中心となるドローン基地『DRONEBOX』は完全に自動運用されるという。「ドローンの離着陸、充電、データリンクを自動で行ことができる。例えば毎日、同じ時間に指定ルートを飛行し、点検を行って帰ってくることも可能だ」と述べた。さらに「取得したデータは着陸のタイミングでクラウド上にアップし分析する」といった運用も可能になるという。災害対応の分野では、仙台市と協力し、取り組みを行っている。「仙台市では震災で大きな被害を受けたため、人を危険にさらすことなく、防災、減災ができる仕組みを考えている。昨年11月にドローンに大型スピーカーをつけ、津波避難広報の実験を行なった」と報告。さらに、「自動運行による雪山での人の捜索や医薬品の配送実験なども行っており、人を危険にさらすことなく、防災、減災に繋がる雛形が出来つつある」と語り、今後の展開に自信をのぞかせた。

(株)ブイキューブロボティクス:https://www.vc-robotics.com/

【5】「高い技術をワンストップで展開する」
(エアロセンス 嶋田 取締役COO)

続いて、エアロセンス(株)取締役COOの嶋田氏が登壇し自社の取り組みについて語った。同社はロボットベンチャーZMPとSONYが出資して2015年に作った合弁会社。「もともと両社とも地上のロボットを製作していた。エアロセンスは“空飛ぶロボットを作ろう”というコンセプトで作った会社」と述べ、「コンシューマ向けではなく、BtoBに特化している」と語った。

エアロセンス株式会社 嶋田悟 取締役 COO

同社の特徴は「マルチコプターとVTOLを自社開発し、メーカーとしてパッケージ化したソリューションを提供すること」で、クラウドまで含めたワンストップのサービスを展開している。また事業領域は「『測量』『点検』『輸送』『有線』の4つがある。『有線』は光ケーブルを用い、イベントなどを4Kでリアルタイム中継する」といい、放送機器でトップシェアを誇るSONYのグループ会社ならではの事業も展開する。また『輸送』分野で行っている事例として、国内外の2つの大きなトピックを紹介した。1つ目はザンビア共和国で行っている検体の輸送について。「ザンビアでは保健省と共同でワクチンや薬などの輸送を予定している。特に検体は生ものなのでドローンのスピードが役に立つ」といい、また同国では洪水などでたびたび道が断絶されるため、「直線距離で輸送できるドローンは同国の実情にも適している」と語った。国内事例として、医薬品メーカーと共に行った配送実験を紹介。「日本はインフラが充実しているので、主には災害時や僻地への医療品の輸送を想定した実験を自治体と行っている」通常、ドローンというとマルチコプターを想像しがちだが、同社はVTOL(垂直離着陸)型のドローンの開発も行っている。速度や飛行距離の点で優位性があるといい、VTOLで同社と協業しているアメリカの航空機メーカー、スウィフト・エンジニアリングが開発した機種の映像を紹介した。
「例えば心肺停止が発生した際、近くの人がスマホから同機を呼び、AEDを運ぶことも想定できる」といい、人命救助の点からも飛行速度に優れたVTOLには高いポテンシャルがあることを強調した。

エアロセンス株式会社:http://www.aerosense.co.jp/

【6】「Jリーグに並ぶプロスポーツに!」
(JDRA 横田副理事長)

一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA) 横田淳 副代表理事

次に、今海外で新たなスポーツとして急速に注目が高まっているドローンレースを日本で普及させる活動を行っているJDRAの横田副理事長が登壇した。第一声で「まずはドローンレースがどういったものか。その映像を肩の力を抜いて見て欲しい」と述べ、ドローンが木々の間やネオンで彩られたコースを猛スピードで滑空するムービーを再生。その迫力に会場中が見入った。
「この映像のドローンの速度は約100~150km/h。アメリカでは最速250km/hのドローンが作られている」といい、ドローンのカメラに付いた映像をもとに操作するため、これまでにない体感が得られるという。さらに、手のひらサイズのミニドローンのレースや障害物ドローンレース『忍』を紹介。「これはテレビ番組『SASUKE』をイメージしたミッションクリア型のレースで、11/25に世界で初めて福島県で開催された」と先進的な取り組みをアピール。ほかにも子供向けドローン教室など、速さだけではないさまざまなドローンのエンターテインメントコンテンツを紹介した。と、ここで横田氏は急きょゴーグルを装着。「実際にドローンを飛行させてみましょう」と会場内に1機のミニドローンを飛行させた。座席の上空をあちこち飛び回るミニドローンの様子に、会場内では笑いがもれた。「世界ではこのようなレースが活発に行われており、ドバイのレースでは15歳の少年が優勝して賞金約3000万円を手にした」という事例を紹介。ただ、こういったレースを開催する際のネックが“場所”だという。「200km/h近い速度のドローンが飛行するには、安全性の問題も含め、広い土地が必要」と述べ、それにマッチするのは都市よりも地方だという。「ドローンレースはPR効果や集客力も高く、お互いにメリットある関係が作れるのでは」と親和性を強調した。最後に、2018年はマイクロ(ミニ)ドローンのレースを全国の47都道府県で開催することを発表。「大きいドローンを使うレースでは1開催で50~100万円掛かる。ただ小さなドローンなら5万円程度で開催できる」とし、「開催の目的はドローンレースのプロスポーツ化。将来はJリーグ、Bリーグに並ぶスポーツ、Dリーグにしたい」と大きな夢を語った。そして最後に「この実現には我々だけではできないので、全国で一緒にに盛り上げてくれるパートナーを募集しています」と語り、プレゼンを終了した。

一般社団法人日本ドローンレース協会(JDRA):https://www.jdra.or.jp/

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この記事は私が書きました。