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【国際ドローン展】インテルの考え抜かれた産業ドローン”ファルコン8+”とは?

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第4回目となる国際ドローン展が幕張メッセで開催。ドローンに携わる48社のブースが出展され、今年は産業ドローンを中心に新製品が数多く並べられた。ドローン産業が進むなか、チェックしておきたい注目の製品をピックアップレポート!

レポート第1弾はトイドローンに革新的なクオリティーをもたらし、話題を集めているTelloの開発において、技術提供を行うインテルのドローン事情。インテルがドローン事業に前のめりなのはご存知のとおり!

そして、いよいよドローンの販売を発表し、ドローンラボのブース内にて国内初の展示が行われた。インテルが国内展開を手がける産業用ドローン「ファルコン8+」とは一体どんなものなのか?Intelの国内参入トピックスをレポートしよう。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


まずはじめに、インテルは2016年にドイツのドローンメーカーであるアセンディング・テクノロジーを買収している。それからインテルは独自のドローンの開発に着手し、インテルの産業用ドローンとして開発されたのがファルコン8+だ。すでにアメリカやヨーロッパでは多くの産業実績を持ち、有名どころではエアバス社などの様々な企業が利活用しているのが現状だ。

今年は新たにアジアへのドローン進出を考え始めたインテルは、日本と韓国に導入を決定した。日本国内においてはJUIDA認定校のドローン大学校代表理事(名倉氏)が取締役を務めるドローンラボがリセラーとして、展開を図っていく。

独自開発の”V字シェイプ”がエッセンスとなるファルコン8+

ファルコン8+はV字シェイプ(逆ハの字)のカーボンフレームに8枚のプロペラを備えた独特のフォルム。通常思い浮かべる点対称のドローンとは一風変わった形状をしている。このV字シェイプの構造はインテルが考案し、特許を取得している。

このV字シェイプは産業用ドローンとして効率的な使い勝手を実現するためのものだという。主流のドローンであれば、機体の真下にカメラをぶら下げる形状がスタンダードだが、V字シェイプを用いることでカメラを可能な限り前方に設置することができる。

前方に設置することで、カメラの視野に余計なもの(フレームやプロペラ)を映り込ませずに撮影ができるようになる。さらには、カメラの上下の空間を解放することで、上下90度にシームレスにチルトするジンバルを最大限に有効活用することに成功した。また、他メーカーのものであれば真上や真下の撮影を行うために、搭載するカメラやジンバルを交換する手間が不可欠だったが、ファルコン8+であれば換装の必要はなく、そのまま被写体の下に潜り込んでの撮影が行えるという。

それなりに重量のあるジンバル+カメラを前方に設置している点から、飛行バランスが悪いのではないか?と思う人もいるかもしれない。まさにそこでも、V字シェイプのフレームを採用する必要がある。つまり、横長のパイプフレームを用いて機体主要部を後方に設置することで、機体とカメラのバランスを取り、最適な重量配分としているのだ。これに加えて8枚のプロペラを設けることで圧倒的に安定した飛行を発揮する。

搭載できるカメラは、測量用として36Mピクセルの解像度を誇るフルフレームカメラSony α7Rを搭載可能。また、点検用としてはフルセンサーのRGBカメラとFLIR Tau640の赤外線カメラにも対応している。

異常時に対する保険を兼ね備えた部品構成

ファルコン8+には左右に4枚づつプロペラが備えられ、合計8枚のプロペラで飛行する。フレームは軽量かつ強度の強いカーボン製とし、機体の重量は2kg。ペイロードは800gという仕様だ。

この複数のプロペラは、もちろん安定した飛行を実現するために数が必要という意味もあるが、もしもプロペラやモーターに異常が起きてしまった場合に墜落リスクを回避するための物でもある。事業開発マネージャーの永井氏は仮に2つのモーター、もしくはプロペラが機能しなくなったとしても飛行は可能だという。

さらに、複数のプロペラと構造から風に対する耐性も抜群に強い。国内の産業用ドローンとして主流となっているDJI Matrice600 PROの最大風圧抵抗8m/sをも凌ぎ、GPS環境下においては12m/s、非GPS環境下(ハイトモード)では16m/sまで運用することができる。

なお、プロペラだけでなく、フライトコントローラーにはIMUを3個冗長搭載しており、1系統に障害が発生しても、正常に作動している2系統を正と判断し、姿勢を維持してフライトすることが可能だ。衝突防止センサーなどは搭載されていないが、墜落のリスクにもしっかりと考慮された設計となっている。

バッテリーは機体に2本差し込むスロットがあり、基本的に1本の電力を消費しながら20分程度のフライトを行う。なので、バッテリーの交換時には着陸したドローンを停止することなく、1本づつバッテリーを入れ替えることで、すぐさま飛び立つことができ、インターバルを縮めるられる。

1人で2オペを可能とする変形モード2型のコントローラー

ファルコン8+の操作にはインテルが開発した「インテルコックピットコントローラー」を使用する。操作はモード2の固定操作となるが、通常のモード2とは多少異なる点がある。

右側のジョイスティックはシリンダー形状のスティックとなっており、前後・左右に加えて旋回操作も右手で行える仕様になっている。より繊細な位置合わせが可能で、産業現場でとても重宝する造りとした。
対応しているタブレット端末はWindows端末(android)に限る。現状のプロポ制御には2.7GHzの周波数を利用していて、カメラによる映像伝送に関しては5.7GHzの技適を現在取得している途中のようだ。

ドローンラボで取り扱いを開始!

冒頭で述べたように、国内でのリセラーはドローンラボが行なっていく。ドローンラボの取締役を務める名倉氏はJUIDA認定校のドローン大学校の運営も行なっており、ドローン大学校の産業用スクールのカリキュラムにファルコン8+を活用し、販売を行なっていく予定だ。ファルコン8+の本体価格は約250万円とし、カメラ付属の価格で約300万円を予定している。さらに赤外線カメラを付け加えると300万円+αの価格となる。


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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。