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第53回 InterBEE 2017を開催!業務用ドローンの出展に注目集まる

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今年で第53回目となるInter BEE(国際放送機器展)が幕張メッセで11月15〜17日の3日間で開催されました。Inter BEEには大きく分けてオーディオ機器と映像機器の分野が並び、映像機器分野にはドローンを新たに出展するメーカーも多く、TV局で使用するプロ向けのカメラからスマートフォンに取り付けて使用するウェアラブルカメラまで、業務・趣味に関わらず年々進化が進むイベントとなっています。その中でも今年はドローンの出展が目立ち、業務向けを中心としたドローンによる今後の可能性をサポートする製品が注目されていたので紹介しよう。


最も注目を浴びたのはニーズの高い有線式ドローン

趣味で空撮を行うものが話題となる一方で、年々ドローンを業務に起用する企業が増えています。ただし、現状では趣味用のドローンやセミプロ機を業務に持ち出すことも多く、使い勝手にまだまだ満足できない部分があるのも事実です。そこで、まず第一の問題としてバッテリーの容量が挙げられます。だいたい1セットでフライトできる時間は15分〜25分程度。業務のためバッテリーを複数所持しているユーザーも多く、それならば有線式にして長時間フライトを行えるようにしようという動きが見られました。

■AERO FACTORY(エアロファクトリー)


映像制作会社及びDJI代理店のエアロファクトリーは有線給電を可能とする”パワーライン”を出展。パワーラインはアメリカのNTP社が開発する有線給電システムで、メーカーとしては20時間継続フライトを強みとするシステムだ(機体側のモーターの熱やプロペラの点検などは考慮する必要がある)。強度の高いケブラーコーティングされた超軽量ケーブル(青色LED付き)は200フィート(約61m)のエリアをカバーする。

キャリーケースは強度にも信頼がおけるペリカン製を採用。内部には役61mのコードリール、100Vのコンセントから電源を取り機体に繋ぐまでの間で電圧の変換を行う変換器が納められている。専用のステーを機体の下部に取り付けるだけなので、瞬時に取り外しが可能で有線フライトとバッテリーフライトの切り替えはスムーズに行える。インスパイアには2本のバッテリーが必要となり、片側には標準のバッテリーを搭載。もう片方に給電システム用のコード付きバッテリーを搭載する。

今回展示されていたのはインスパイア1/2専用の給電システムで今年の9月下旬にリリースされたものだ。また、今回の出展には惜しくも間に合わなかったが、さらにコンパクトなボックスになり、マトリス200/600にも対応した最新版も入荷予定としている。価格はインスパイア1/2用を150万円で販売しており、新型もほとんど変わらない値段で提供する予定としている。

使い勝手や用途について、エアロファクトリーのプロジェクトマネージャーを務める加藤氏に話していただきました。

有線給電式のニーズが増えている。というのもインスパイアであってもフライト時間は15分〜20分程度。業務ではリハーサルやキュー待ちの待機時間などが多く、いざ本番でGOサインが出た際にバッテリーを交換したい!といった事例が多いと言われています。そこで必要となるのが有線給電なのです。

しかし、常にコードが繋がっている状態は使い道も限られる半面、バッテリーを気にせず飛ばせることで用途の幅は広がる可能性が非常に高いとされています。例えばドローンの登場で簡易的となったサッカーやラグビーなどのスポーツシーンの撮影で、選手の動きをより正確に観るために真俯瞰での撮影が行いたい場合。さらに生中継でライブ映像を流す場合など、バッテリーを交換する時間を省くことができ、フライト時間を気にする必要がなくなります。

また、クレーン撮影の代わりとしてリフトアップ/ダウンのような動きの撮影に関して、車でないと入っていけない場所などで使用したい場合に適しているという。

61mしか上がらないので、絶景を撮ることや動きの多い撮影を遂行するには適さないが、ある一定の範囲で1つの被写体をじっくり撮影する場合にはとても魅力的な商品となっています。今後は消防署などにも活用できる可能性があり、現場を監視しながら、各隊員の動きに指示を出す。なんてことも可能になります。(加藤氏)
■問い合わせ
エアロファクトリー


■田中電気

完全有線式のドローン「PARC」を展示。
PARCは垂直飛行を行い、長時間の安定飛行を可能としたドローンだ。なので移動するという概念は持ち合わせておらず、一定の場所を監視及び警備する用途で使用するドローンとしている。

PARCのフライト性能はとても高く、最大高度122mでメーカーとしては7日間の継続飛行を可能としている。田中電気では実際に検証するために5日間の飛行を遂行したという。なお、5日目には強風が発生し、強風を感知すると自動で着陸するという機能も備えており、その機能も検証できたようだ。PARCは雨と雪にも対応する全天候型で、なんと瞬間風速18m/s・平均風速13m/sにも耐えられる性能を持っている。

搭載するカメラは監視用ドローンなので4Kには対応しておらず、証拠映像を残すというコンセプトから開発された。なお、今後は4Kにも対応させていく可能性があるとしている。

ドローンの操縦はパソコンで簡単に行える仕組みだ。移動を要さないため、高度などを設定した後、ボタン1つで自動で上昇し始める。また、カメラの操縦にはゲーム用コントローラーのような形状のものを採用した。

価格は機体、パソコン、変圧器、コードリールを含め4000万円。
販売は去年から開始し、消防署や警察署での活用を視野に入れているようだ。

PARCはアメリカで開発された機体で、採用される電源供給コードは他社のものに比べとても細いのに加えて強度も強い。さらに、このコードは電源を供給するだけでなく、映像の送電線としても使用している。
■問い合わせ
田中電気


■SONY(ソニー)

エアロセンス社と共同開発を行うSONYは空撮用有線ドローンシステムを参考出品した。
有線給電による連続飛行および6時間の撮影を実現。搭載するカメラはSONY製のもので、HD(60p)/4K(30P)の撮影が可能。また、ジンバルによるカメラ制御機能も装備されている。

給電ケーブル長は100mで光ファイバーケーブルによる非圧縮・高画質のリアルタイム映像伝送も兼ね備える。なお、中継車と接続して可搬中継機材としても活用が可能だという。

SONYの有線ドローンシステムは静岡放送主催のイベントにてライブ撮影システムを使用した運用に成功している実績付き。今年の8月に開催された「超ドSフェスタしずおか」の音楽番組でBS-TBSにて撮影した映像が放送されている。
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ソニービジネスソリューション


映画制作などのプロに向けた大型ドローン

■PRO DRONE(プロドローン)

プロフライヤーという事業で空撮代行を主に扱うプロドローンが、映像制作におけるハイクオリティの撮影をこなす大型ドローンを参考出品した。ボディーは全幅2627mm、全高1148mm、総重量39kgと超大型でフライト時間は約12分だ。

一番の特徴として、最大ペイロード(積載量)40kgに及ぶDJI製のプロ向け映像撮影用ジンバルのRONIN2を搭載できることが挙げられる。カメラにはREDデジタルシネマカメラなどの放送用大型カメラが搭載できるので、ハイクオリティかつ安定した空撮を行うことができるドローンとなっている。
バッテリーは4本で稼働し、最大速度は70kmに及ぶ。
■問い合わせ
プロドローン


ドローン&映像制作に役立つ最新製品

■ケンコー・トキナー

撮影機材やアクセサリーパーツを主に取り扱うケンコー・トキナーは近年ドローンに注目し始め、ドローンに関連するアクセサリーパーツを新たに取り扱っている。今回の展示では夜間飛行をテーマにLED付きのヘリパッド、コンパクトライトをリリース。
ヘリパッドは大サイズと小サイズの2種類を用意。パッドには方位が一目で確認できるように記されている。夜間でも着陸場所を視認しやすく緑色のLEDを外形に纏う形だ。

夜間のフライト時に撮影の補助ストロボ、ドローンの視認性向上に使用できるキューブ型のウェアラブルライト「LUME CUBE」を発売。IP68相当の防水性を持ち、水深30mでの使用も可能だ。価格は1万5400円(1個)、2万8500円(2個)、5万6900円(4個)となる。

ドローンのスキッドに簡単に装着でき、ドローンだけでなくスマートフォンやGoPRO、カメラ機器にも専用のマウントを用いることで使用可能となっている。

LUME CUBEは、単なる視認用ライトというわけではなく、ライトの調光を映像、写真撮影用の設定としており、LED1500ルーメン、色温度6000K、CRI80-85と撮影する際のストロボとして大いに役立てる仕様となっているのだ。

さらにこのLUME CUBE!スマートフォンとのワイヤレス操作に対応している。Bluetoothで操作することで、ドローンの飛行中でも設定を変更することができる。設定には明るさの調整、ライトの点滅(フラッシュ)状態にする操作。また、カメラのストロボの光に反応しLUME CUBEをフラッシュさせることができるので、反応速度を設定できる。そのほか、バッテリーの状態、Bluetoothのシグナルの強さを設定可能だ。さらにすごいのがこのLUME CUBEスマートフォンに登録することで最大6台の同時使用を実現。スタジオ撮影などで一瞬で同時に点灯させることや、ストロボとして威力を発揮する。

そのほか、オプションパーツとしてライトにつけるフィルターをいくつかリリース。撮影シーンに応じてストロボの色、強さを調節できる仕様だ。

ファントム4の搭載カメラに使用できるフィルター「アドバンストドローンフィルター」も用意。撮影環境が明るすぎる昼間や、白トビを防止するためのものだ。そしてカラーフィルターもラインナップ。

ドローン以外の撮影機材としてスマートフォンに一眼レフカメラ用のレンズを使用して撮影できる「ビーストグリッププロ」も展示。スマートフォンで本格的な映像撮影をしたい人にうってつけで、趣味として映像を始めたい初心者にもオススメだという。

マウントできるスマートフォンはアイフォンに限らず、フリー調整により幅広いサイズに対応。マウントの形状は左右を両手で掴みまるでプロ用機材のように持つことができるため使い勝手にも一工夫されている。

レンズには数多くの専用レンズを取り揃えるが、キャノンのレンズも取り付けできるうえ、専用のアタッチメントをかますことでニコンなどのレンズにも対応している。
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ケンコー・トキナー


■AERO FACTORY(エアロファクトリー)

有線給電システムをリリースしたエアロファクトリーは、ドローンのアクセサリーパーツとして機体専用となるオリジナルハードケースを各サイズ販売している。使い勝手を考慮した収納フォームが魅力で、ユーザーによるオーダーにも対応しているという。

サイズにはインスパイア用、マヴィック用、ファントム用を取り揃え、バッテリーの複数収納やアイパッドの収納場所、専用のバッテリーチャージャーの収納場所などを追及しているのが特徴だ。インスパイア用はサイズが大きく、キャリーケースタイプとなる。

さらにドローンのハードケースとしては初となるカモフラーシュ柄のハードケースをリリース。

カモフラージュ塗装には特殊な塗装方法を採用しており、強度の強い塗装で傷や剥がれが起き難いものをチョイスした。重厚感のある質感もしっかり実現されている。
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エアロファクトリー


■アスク

ドローンに搭載するウェアラブルカメラとして話題を呼んだInsta360に新しいシリーズが登場。8K360°カメラを実現した「Insta360Pro」、スマートフォンに取り付けて使用できる「Insta360One」の2種類だ。

Insta360Proは4K100fpsにも対応し、8kでは30fpsに対応。360°で撮影することでVRにも対応する高画質プロ用カメラだ。専用のジンバルにより、ドローンにも搭載可能でライブ配信も行うことができる。価格は45万円(税込)で、既に予約販売を開始している。

一般向けのウェアラブルカメラとしてはInsta360Oneをリリース。1/2.3サイズのソニー製CMOSセンサーを搭載した4K対応の360°カメラだ。

また、6軸のスタビライザーが内蔵され動きの大きい撮影も安定したスムーズな録画が可能だ。さらに240fpsでの高速撮影を実現し、一脚を使用し自分の周囲を振り回しながら自撮りをすることで360°の自分の撮影を行えることで注目されている。

もうひとつの特徴として撮影しながらの編集操作が可能な点も魅力的だ。撮影しながらリトルプラネットモードなどを取り入れることで映像に変化を加えながら動画を作成することができる。

取り付けはスマートフォンだけでなくドローンに吊りさげて使うこともできるのだ。
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アスク


■ナックイメージテクノロジー

最先端のテクノロジーを搭載した映像作家向けのプロ映像機材を取り扱うナックイメージテクノロジー。今回はドローンも取り扱う映像制作メーカーの東通、空撮を得意とするヘキサメディアと共同開発することで、ドローンの空撮映像にCGを付け加えるシステムを参考出品した。

アンジュレーションパターンバーチャル表示システム「アンジュラス」は地上ビデオカメラでは既に存在するシステムで、撮影中ながらも事前に組み込まれたCG映像を常に合成させて撮影できる機材だ。写真の手前のスタッフが機材で映像を撮影していて、何もない壁を撮影することでその上にあるモニターにはソファーや観葉植物、壁掛け写真などが映り込んでいる。これらは全てCGで、リアルタイムで表示させることができ、ニュース番組やバラエティ番組でもたびたび見掛けることがある技術だ。

このシステムを新たにドローンに搭載することで、空撮にもCGを組み込むことが可能となる。例えば、スポーツの解説でボールの軌道に線を入れたり、選手にマーカーをつけたりとCGを使うことでより解りやすい放送が可能となる。

CGとの合成撮影を行う機材はこの部分で専用のマウントにより搭載。
■問い合わせ
ナックイメージテクノロジー
東通
ヘキサメディア

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。