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Japan Drone2018 ピックアップレポート特集Vol.2【物流編】

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3月22日〜3月24日の3日間、本格的な民生用・商業用ドローン市場に特化したイベントである第3回Japan Drone2018が幕張メッセで開催された。産業向けの機体や、新たにリリースされた測量・点検、物流サービスなど数多くのブースが出展され、ドロネク!取材陣が各ブーススタッフに、より詳しい話を聞き込んできたのでレポートしよう。

Vol.2は物流用ドローンをレポート。測量用ドローンのまとめはVol.1をチェック。
Japan Drone2018 ピックアップレポート特集Vol.1【測量編】

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


実現間近!?週に1度運用されている物流ドローン

楽天は物流配送による実証実験を2017年11月からスタート。それから週に1度、南相馬市で配送サービスを実験的に行なっているのだ。

物流ドローン「天空」

配送プロジェクトに活用されるドローンは「天空」と命名され、ACSL(自律制御システム研究所)と共同で開発を行なっている。ドローンの頭部には自動で開くパラシュートを搭載し、緊急事態の時にはマニュアルで開くことも可能だ。運用における飛行距離は片道2.7㎞の範囲とし、時間でいうとリスク回避のマージンを入れて約10数分の飛行としている。

運ぶことができる品物は、機体に搭載されるボックスの中に収まるサイズのもので、2Kgまで搭載することができる。

配送のシステムは、タブレットやスマートフォンで専用アプリを利用する。

購入者は「ショッピングアプリ」で商品を注文する。ショッピングアプリでは品物の重量が明記されており、WEB通販などの機能で使われている「カゴに入れる」ボタンを押すと、メーター表示で合計重量を知らせてくれる。また、ドローンによる配送状況もアプリ上で確認できるようになっている。

注文を受け付けた業者は「ドローンダッシュボード」と呼ばれるアプリを使い、ドローンと販売を管理する。ドローンを飛ばせる気象であるか?ドローンの飛行ルート、ドローンの飛行状況などを全て端末上で操作・管理できる。

南相馬市で運用されているサービスは、注文を受けた店舗が商品をドローンに搭載し、購入者に向けて飛ばす。その後、着陸場所には移動販売車が駆けつけ、購入者をサポートしながら運用している。配送荷物はドローンから自動でボックスごと切り離すことができ、荷物を切り離した後、ドローンは自動で店舗へ向かうという。

また、着陸に関してはGPSだけで位置情報を取得すると、5m程度の誤差が出てしまうことがあるので、特殊なポートマットを活用。着陸場所に3m×3mのマットを設置し、ドローンはそのマットを画像として認識することで、マット上に着陸できるのだ。配送プロジェクトは、南相馬市だけでなくゴルフ場などでも実験的に運用している状況だ。

楽天の担当スタッフは「天空を非常食の配送や、災害時における運用も想定して活用していきたい。またカスタマイズも可能なので、カメラなどを取り付け消費者の要望に応えてサービスを発展していきたい。」と今後の方向性を示した。
■問い合わせ
楽天ドローン

自治体防災を変える大型ドローン

DJIブースには様々な産業用ドローンが並んでおり、スカイシーカーは既に東京都あきるの市で導入されている物流用ドローン(QS8)を出展した。

災害時のドローン運用や、各種調査、安全な飛行運用の呼びかけ、などドローンの普及を目指すスカイシーカーのQSシリーズは、防塵・防滴機能を備えている。ベースにはDJI WIND8を利用し、カスタマイズを施している。

搭載できる物量は6Kgまでの荷物。前述でも述べたように、あきるの市での運用を行なっており、4〜5㎞の飛行を可能としている。

そして、最大の特徴はドローンを飛ばす方式で、通常のプロポを使用すると、電波で繋がっているので、接続が遮断されてしまうと自動的にGo HOMEが作動してしまう。そういった使い勝手を向上するために、スカイシーカーのQSシリーズは、GPS信号により目的地への自動運航が可能となっている。仮に電波が遮断されたとしても自動的に目的地に着陸するのだ。

また、QSシリーズにはDJI ZENMUZE XTやZ30、Z3、X3などの拡張性の高いカメラを搭載可能。
■問い合わせ
スカイシーカー

立ち入れない場所にウィンチでセンサーを設置

ITH合同会社は、日本サーキットと共同開発を行なったウィンチ搭載ドローンを出展。ウィンチ搭載ドローンはベースに防滴処理が施されたMatrice600を採用し、釣り具のリールをウィンチとして利用している。

人が立ち入ると危険を伴う雪山で、すでに実証実験を行なっている。雪山の雪崩を検知する箱型のセンサーをウィンチで吊り下げ、雪山の斜面に設置。センサーは、かすかな雪のずれを検知し、手元の受信機にリアルタイムで情報が送られてくるものだ。

さらに、ウィンチ搭載ドローンにはデュアルジンバルも搭載され、赤外線カメラによる太陽光パネル点検にも応用できるという。

このドローンの利口な点は、ウィンチのフック部分の工夫にある。荷物を吊り下げている時は吊り糸にテンションがかかっており、先端のフックで荷物を運んでいる。この荷物が地上に設置すると、吊り糸のテンションが緩み、フックが解放される仕組みになっているのだ。

よって、わざわざ着陸地点に人を派遣せずに、荷物を降ろすことが可能なのだ。なお、荷物を吊り下げる紐には、丈夫な釣り糸を使用し、重量は5kgまで対応しているという。

現在は自社での運用サービスを行なっている。
■問い合わせ
ITH合同会社

新技術「4G Gravity™」を備えた宅配ドローン

エアロネクストは”安全により早く届ける”「Next DELIVERY™」をコンセプトとした宅配ドローンを開発。

開発されたドローンは、荷物を常に水平に保つ重心制御技術「4G Gravity™」を採用している。荷物を中心にドローンが傾く仕組みを作り、ドローンのバランスを保っている。これにより、プロペラ部分に角度がつくことで、最高速アップも実現できるという。

フレームは自社のオリジナルで設計開発し、プロペラやFCはDJI製品を採用している。これから、実証実験の回数を増やし、しかるべきデータを取得したうえで、販売を実現していくという。
■問い合わせ
エアロネクスト


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Japan Drone2018 ピックアップレポート特集Vol.3【サービス編】

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。