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重心制御で荷物を水平に保つVTOL型物流ドローン「Next VTOL」が登場

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次世代ドローンの開発に取り組み、数々のイノベーションコンテストで活躍している株式会社エアロネクストは、新たに固定翼機でありながら、垂直離着陸型の物流用ドローン「Next VTOL」をジャパン・ドローン2019に出展しました。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


多くのコンテストで評価される重量制御技術「4DGravity」

同社は物流、点検、VR撮影を行う3種類のドローンを提案。”Nextシリーズ”と名付けられた同社のドローンは、独自技術である4DGravityを中心に開発してきました。

Next DELIVERY

一番最初に具現化されたNextシリーズは物流を担うNext DELIVERYと、360度のVR撮影を可能にしたNext VRでした。ジャパン・ドローン2018で発表された斬新な4DGravityのアイデアに注目が集まり、2019年に入ってからはICCサミットFUKUOKA2019、EY Innovative Startup 2019、Mizuho Innovation Awardなどで入賞を果たしたこともあり、今後の活躍に期待が高まっています。

4DGravityは同社が特許を取得する独自技術。重心バランスを制御することで、搭載物の重量を常にドローンの重心に維持するテクノロジーで、ドローンが傾いた場合に搭載物を地上と水平に運ぶことを負荷なく可能にしました。4DGravityによって、余分なモーター負荷を減らし、機敏に反応できる安定した飛行が実現されています。

重心バランスの制御は、バッテリー位置を移動させることで行います。展示されたNext DELIVERYでは、手動でバッテリーの位置を変える作りになっていましたが、製品化する際には自動機構を設け、重心バランスを自ら制御する仕様になります。まだまだ開発途中であるNext DELIVERYも現在は800g程度の重量ですが、量産化する際には部品が加わり、2kg前後となる模様です。量産化に向けては、すでに農業機械製造の小橋工業株式会社と、VAIO株式会社と提携を結んでいます。また、VAIO株式会社とは共同で事業化の検討を始めました。

 

30km以上の直線距離を移動できるNext VTOL


新発表となったNext VTOLは固定翼機ながらも垂直離着陸を可能にした物流ドローン。10〜20kgの荷物を運搬することを目的に開発され、上昇時と進行時で機体の向きが90度変わる一風変わったドローンになっています。他のNextシリーズと同様に4DGravityを採用し、ドローンの飛行に関わる本体と荷物部分を分離させ、他機種のバッテリーと同様に荷物がフリーに移動することで、機体の重心を制御する仕組みになっており、荷物は常に水平を保つことができます。

本体部分はカーボンを採用することで、重量を4000gに抑えました。離着陸時にはプロペラによって上昇下降を行いますが、飛行状態に入るとプロペラを停止しても固定翼機としてフライトすることができるため、バッテリーを省力化できます。よって、約40分の飛行時間を可能とし、最高速度は80km/hに至ります。また、マルチコプターの機能も備えているので、ピンポイントの場所に正確に着陸できるのもNext VTOLの魅力となっています。

今後、Nextシリーズを実用・量産化するに当たっては、重心制御の自動化と精度の高い自動飛行システムが必須となり、完成形に至るにはまだ時間が必要となります。同社はドローン開発メーカーではなく、技術開発メーカーとして様々な分野に対して市場を活性化する技術を提供していきたいとし、様々なビジネスパトーナーと手を組む意向を示しています。


@株式会社エアロネクスト

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。