12月13日〜15日の間、東京ビッグサイトでは世界を代表するマイクロエレクトロニクス国際展示会「SEMICON Japan2017」が開催されている。SEMICON JapanはエレクトロニクスやIoT、半導体などの最先端技術を発表するイベントで、インテルやソフトバンク、ソニー、パナソニックなどの大手通信・電気メーカーも出展している。今年は初となるドローンを主体としたブースが登場し、「all about DRONES」と称されたブースで各社が出展を行なったので出展内容を紹介しよう。
ドローンのフライト体験ができる”all about DRONES”
all about DRONESはドローンのサービスや製品を出展する数社がひとまとまりとなったブースで、ドローンの事業サービスを行うドローンジャパンがブースディレクターとなり、各社が集まった形だ。
DJIの正規代理店として、ドローンのサービス事業を展開するセキドはドローンのフライトを体験できるブースを出展した。
フレームで組まれた屋内型の設備を用意し、初めてドローンに触れる人でも安心してフライトできる環境を整え、アドバイザーがしっかりとサポートを行いながらドローンの操縦を体験できる。
それに合わせて、DJIのインスパイア2やマトリス200、マヴィックPRO PLATINUM、スパークといったドローン製品の展示も行なった。
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セキド
ドローンの空撮映像をVRでリアルに体験
空撮のプロを全国に派遣して事業展開しているドローンエージェントは、ドローンの空撮映像とVRを組み合わせた体験型ブースを出展した。
VR映像はDJI製のマトリス600PROに12個のカメラを搭載して撮影された。様々な場所で撮影された紅葉映像を360°のVR映像で楽しめる。
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FLIGHTS
ドローン飛行の安全性を向上するモジュール
東芝デバイス&ストレージは、まだまだ危険な一面を持つドローンの安心・安全を向上するESCモジュールを展示した。
※ESCとは「Electronic Speed Controller」の略でメインコントローラーの指示により、プロペラ(モーター)の回転速度を制御するもの。各プロペラ(モーター)に対して1個づつ備わっている。
従来のESCモジュールはメインコントローラーからの通信を受けて駆動するもので、その通信は一方通行となっている。なのでメインコントローラーが正常であってもESCモジュールが故障してしまうとプロペラに異常をきたし墜落事故を起こす可能性があるのだ。
そこで、東芝デバイス&ストレージは業界初の最小最軽量(33mm×36mm×14.5mm)の双方向通信に対応したESCモジュールの開発に成功した。出展されたESCモジュールは異常を感知すると、メインコントローラーに迅速に異常情報が送信され、正常なESCモジュールが搭載されているプロペラに指示を送ることで制御不能や墜落事故を回避することができる。
また、ソフトウェアとハードウェアを利用した効率のよいベクトル制御方式により、バッテリーの消費電力を抑えることも実現している。このESCモジュールはACSL(株式会社自律制御システム研究所)のドローンに搭載される予定だ。
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東芝デバイス&ストレージ
大分県に業務用無人機用研究開発施設を設立
大分県産業科学技術センターでは大分県の推進のもと、「先端技術イノベーションラボ」を設立予定だ。
先端技術イノベーションラボは新型ドローンやロボット等の開発に最適な環境を整えた施設で、ドローンの飛行試験用フィールドのほか、ドローンを飛ばすのに十分な広さを持つ磁気シールドルームや電波暗室を兼備した支援拠点だ。
技術的なテスト施設のほか、ドローン機体の製造企業や、ソフトウェアの開発企業、サービス提供企業などが入居できる共同開発ルームも併設されている。現在のところドローンのテストフィールドに各実験施設が併設されている場所は少なく、ドローンやロボットにおける発展を進めるために国が強く推進している。
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大分県産業科学技術センター