株式会社センシンロボティクスはドローン運用の全自動化に取り組み、運行拠点となる「
●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
ドローンの管理を全て補う自動型ドローン基地が登場
センシンロボティクスは産業ドローンを全自動で運用するプラットフォームの開発に取り組んできました。同社が全自動化にこだわるのには、少子高齢化が進み、労働人口が減少している将来を見据え、人手不足の解消やコスト削減の実現にドローンを活用したいという想いがあります。
同社では、ドローンの完全自動運用による顧客の業務課題の解決を目的としたソリューションの提供および実証実験を続け、今年からはニーズにあった分野別のソリューションを提供できるまでに至りました。

2016年に開発されたDRONE BOX
自動化の第一歩として2016年に、ドローンの離発着場と充電システムがひとつになったDRONE BOXを発売。DRONE BOXは反響が大きく、様々な視点からの要望が集まったといいます。3月13日から販売を開始したセンシンドローンハブは、DRONE BOXに対する要望に沿って改善を施した製品となっており、具体的には精度の高い離発着、充電速度の向上、コンパクト化を反映しています。

自動で離発着&充電を可能にしたドローン拠点
ボックスの開閉も自動で行われる
センシンドローンハブは屋外で使用されることを想定し、防水加工を施した”自動型のドローン基地”となっており、
現在、価格は要相談となっており、ドローンとセンシンドローンハブのパッケージ販売を行なっています。すでに他メーカーのドローンを所有している場合でも対応は可能。センシンドローンハブとの相性を確認したうえで販売しています。

セットで販売されるマルチコプター
赤外線カメラを搭載
同社は鉄道のレール点検における製品検証も実施しました。高速道路や鉄道のレールなど広域に渡る運用では、2機のドローンを交互に飛ばすことで、より効率的に運用できるといいます。DRONE BOXよりもコンパクト化され、重量は6kg、サイズは1.89m(縦)・1.77m(横)・0.8m(高さ)となりました。底部にはキャスターが備わっているので移動も容易です。
展示されたセンシンドローンハブに格納されているドローンは自社で開発されたオリジナルドローン。これに加え、同社が提供する様々な専門ソリューションを組み合わせることで、より効率的に自動化を進めることができます。
フライトプランの作成やレポート作成を行う「

センシンドローンハブと連携できるソリューションも充実
同社の展示ブースではセンシンフライトコアも展示されました。センシンドローンハブと組み合わせることで、フライトプランの作成や、撮影データの管理が行えるようになります。
アプリ上でウェイポイント間のアクションを個別に設定していくことで、ルートに合わせてドローンの動きを制御することが可能。飛行プランの作成は、点検施設や測量範囲を指定することで自動でルート生成を行う機能も組み込まれました。日時の設定もでき、スケジュールを組んでおけば決まった時刻に定期巡回といったことも実現され、定期巡回も完全自動化です!
ドローンの運用は回数を重ねていくと、容量の大きい取得データを管理していくことが困難になってきます。そこで、センシンフライトコアでは独自のクラウドシステムを使ったデータ管理も提供しています。
近年、目視外飛行の実現化に向けて、積極的に国が動いており、2020年以降には有人地帯での目視外飛行も視野に入っています。目視外飛行が可能になれば、ドローンの全自動運用は必須となり、需要も極めて高くなってきます。そのためにも、センシンロボティクスはドローンの全自動化のシステムを構築し、課題解決に貢献していく意気込みを見せました。