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【国際ドローン展】効率的なフライト機構を搭載したGNAS SKY

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第4回目となる国際ドローン展が幕張メッセで開催。ドローンに携わる48社のブースが出展され、今年は産業ドローンを中心に新製品が数多く並べられた。ドローン産業が進むなか、チェックしておきたい注目の製品をピックアップレポート!

レポート第2弾は東京航空計器が開発したメイド・イン・ジャパンの産業用ドローン「GNAS SKYシリーズ」だ。ドローンには珍しいシングルヘリコプタータイプとマルチコプタータイプの2種類が登場し、大柄な機体サイズから物資運搬用・多目的用のドローンとして国内初公開!単なる大型のドローンかと思いきや、なんとGNAS SKYには斬新な仕組みが組み込まれていた!

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


GNAS SKYシリーズを手がける東京航空計器はその名のとおり、航空機搭載品などの精密機器を開発・販売を行う企業だ。兼ねてから機体姿勢を制御するモーションセンサーや、フライトコントローラーの開発を進めていた。

2017年にはTKKワークスの設立に踏み切り、主に産業用UAV無人機の開発設計などを担っている。そして、東京航空計器で開発してきた数々のセンサーやノウハウを詰め込み、第1弾の集大成としてドローンの形となって登場したのだ。なので、今回紹介するGNAS SKYシリーズは正真正銘の「メイド・イン・ジャパン」であり、ドローン業界で圧倒している中国メーカーに新たな風を吹かせるメーカーとなり得る可能性を秘めている。

日本製のアイデアとクオリティーを詰め込んだGNAS SKY

国際ドローン展で初公開となったGNAS SKYシリーズはクアッドマルチコプタータイプとシングルヘリタイプの2種類。どちらも大柄な機体サイズで機体重量は10kgに及び、共にペイロードは5kgとしている。

産業用として開発された2種類はシングルヘリタイプを物資運搬用とし、マルチコプタータイプは多目的用として、カメラやセンサーを搭載することで、あらゆる局面に役立てることを想定したドローンとなっている。

まず、多目的用として開発されたマルチコプタータイプのドローンの形状は、主流のドローンに比べ、大きな違いを感じさせない。現状ではカメラやジンバルの搭載については検討中であり、「このカメラが搭載できる」という点においては未定となっている。

5kgの荷物を搭載した状態での飛行時間は約30分とし、他メーカーの産業用ドローンに比べても長時間の飛行が可能。それにも関わらず、搭載するバッテリーは10000mAhのものを、たった1本だけ搭載しているだけ。

どうしてそんなに省エネなのか?この回答がGNAS SKYの斬新なポイントであり、日本製ならではのアイデアが反映されている部分なのだ。

GNAS SKYのミソはプロペラが可変ピッチ機構になっていること。要するに、機体を旋回する時や移動する時にプロペラそのものの角度を制御し、安定した飛行を実現する。通常のドローンであれば、各それぞれのプロペラの回転数を変えることで制御する。例えば、右旋回であれば左前方と右後方のプロペラの回転数を上げ、右前方と左後方のプロペラの回転数を下げるといった具合だ。

以上のことから、各モーターひとつひとつを制御する必要がある従来のドローンに比べて、可変ピッチ機構のドローンはモーター制御を1系統に減らすことができ、プロペラも常に一定回転を保つだけなので消費電力も少ないというわけだ。

しかも、可変ピッチ機構のプロペラは耐風性にも優れており、とくに横風には強いという。従来のドローンでは5m/s程の風が吹くと厳しい局面とされているが、GNAS SKYであれば従来の倍である10m/s程度まで耐えることができる。

オリジナルのプロポと管理システムで運用

GNAS SKYに使用されるプロポもまた、TKKワークスが開発したオリジナル品だ。可変ピッチ機構となっているので、操作が通常より1つ増えるのでは?と考えたが心配は無用だった。基本的にドローンの移動に合わせてプロペラのピッチは自動制御されるので、通常の操作となんら変わりはない。

上部についている数々のスイッチ類は、まだテスト段階なので、GPSのオン/オフスイッチやキルスイッチが設けられている。販売時にはテストを経て必要なスイッチが備えられる予定だ。

また、プロポの伝送距離は約1kmとし、さらには有線で機体を管理するグランドステーションと呼ばれるシステムに繋がっている。

グランドステーションはパソコン画面を使用し、ドローンの位置情報や異常状態、姿勢制御状態などを管理している。常にプロポとドローンの間にグランドステーション(ノートPCでも可)を仲介し、運用していく。

従来の産業用ドローンはタブレット端末などの簡易モニター上での管理が主流となっているが、GNAS SKYはより産業向けに近い本格的なシステムを利用したドローンといえる。今後は運行管理システムなども搭載し、より一層活躍できるシーンを広げていくとされる。

段ボールがまるっと入るヘリ型ドローン

シングルヘリコプタータイプのドローンの特徴はハイパワーかつハイスピードな点が挙げられる。最高速度はなんと100km/hを実現し、物資運搬のほか、災害時や緊急時への活用も視野に入れているという。

運用するシステムはマルチコプタータイプと変わらず、プロポで操作し、グランドステーションを用いて運用する。

ラジコンヘリを操縦する難しさを知っている人であれば、シングルヘリコプタータイプのドローンを飛ばすのは難しいのではないか?と思うかもしれないが、至って通常のドローンと操作は変わらず、手を離した状態でも安定してホバリングが行える。

ボディーはレーシングカーやF1マシンでも採用されているカーボンファイバー性とし、型を起こすところから造形まで全て自社開発として取り組んでいる。これにより大柄なサイズでも重量を10kgに抑えることができ、高い強度も兼ね備えられた。

物資運搬はドローンの前方がパカッと開き、100サイズの段ボールがスッポリと入る構造になっている。

GNAS SKYシリーズは、今回展示した電子制御のドローンのほか、2サイクルガソリンエンジンを搭載するエンジン駆動ドローンもラインナップされている。エンジン駆動のものであれば1時間の飛行も可能だ。


■問い合わせ
東京航空計器

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。