11月初旬にドバイ警察が2020年を目処に”空飛ぶバイク”の導入を検討していると発表しました。すでにパイロットの訓練も開始しており、実現に向けて動いています。完成度の高い空飛ぶバイクが登場することで、さらに空の乗り物に対する期待が高まるなか、新たな空飛ぶバイクがThrust cycle社から登場しました。
●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
最新技術を詰め込んだ15万ドル(1700万円)のS3 2019 Hoverbike
11月初旬に世間を賑わせた空飛ぶバイクは、カリフォルニアのスタートアップ企業であるHoversurf社(ホバーサーフ社)が開発した「S3 2019 Hoverbike」と名付けられた垂直離陸可能な電動ホバーバイクです。ドローンのマルチコプターと同様に4つのプロペラを四方に備えています。
バイクのように跨った姿勢で乗るもので、最大5メートルの高さを安全に飛ぶことが可能。最高速度は時速70kmを上回ります。訓練の模様を撮影した動画では高さ1メートル程度の飛行しかしていませんが、完成度の高い安定性はしっかり確認できます。ただし、飛行時間は10分〜25分程度。ドローンもエアモビリティもバッテリーの進化が今後必須となりそうです。今後の活用に向けて、Hoversurf社ではすでにS3 2019 Hoverbikeの量産にも成功したと発表がありました。
プロペラ2つでもジャイロの力で安定するコンセプトモデル
Hoversurf社に続き、Thrustcycle Enterprises社(スラストサイクル社)では垂直離着陸(VTOL)型のGyroDrone Conceptを発表しました。S3 2019 Hoverbikeと大きく違う部分は、2つのプロペラで安定した飛行を実現した点です。Thrustcycle Enterprises社ではジャイロスコープを加速度計やその他の同様のアプリケーションのセンサーとしてのみ使用する他のコンセプトとは異なり、独自のブルートフォースジャイロスコープを使用して垂直安定性と制御を維持します。
Thrustcycle Enterprises社はこれまでに、停車してもジャイロの力で自立する二輪車を研究し続け、絶対に転倒しないバイクGyro Force(ジャイロ・フォース)を開発しました。GyroDrone Conceptにも今までに培ったジャイロのノウハウが詰め込まれています。
GyroDrone Conceptは現時点ではコンセプトモデルとなっており、実用化や量産化については今のところ未定となっています。
現在日本をはじめ、各国で空飛ぶクルマのプロジェクトが進んでいますが、クルマよりも先に手軽な空飛ぶバイクが広がるかもしれません。ちなみに、2017年には世界最高峰のバイクレースであるMotoGPにHoversurf社のScorpion-3が登場し、デモフライトを行いました。
@Dubai Police start training on flying motorbikes-CNN
@Futuristic GyroDrone Concept VTOL Aircraft Uses Two Gyroscopes to Maintain Stability and Control-Tuvie
@Thrustcycle