2020年から実施される小学生に対するプログラミング教育の必修化に向けて、株式会社ORSOは「DRONE STAR Academy」を4月より開講し、プログラミング教育の講師を育成していくと発表しました。
●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
ドローン×教育をテーマに活動してきた株式会社ORSO
2月12日に神田へ本店移転した株式会社ORSOは、200g以下のドローンを起用したプログラミング教育の教材アプリを開発しています。2015年には地域連携活動の一環として、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)のロボティクスアカデミー第1校を開校。1年で100人の生徒を育てることを目標に活動してきました。

子どもが夢中になるDRONE STARセット
2017年4月には教材アプリ「DRONE STARアプリ」を開発。ドローンの操縦技術をスコア化することで、楽しみながらドローンの操縦を上達することができ、マイクロドローンと同等サイズのドローンスター01の販売と共にリリースされました。

株式会社ORSO 代表取締役社長 坂本義親氏
同社の代表を務める坂本義親氏は東京大学のドローンプロジェクトとして、2018年からドローン×ビジネスイノベーションを展開しています。
プログラミング教育の本質を創り上げるDRONE STAR Academy
今回発表したDRONE STAR Academyは、2020年から始まる小学校でのプログラミング教育の必修化に向けたカリキュラムを用意した講座となっており、生徒が能動的にプログラミング的思考を身につけることを目標としています。
教材には2018年に開発したスマホ教材アプリ「DRONE STAR プログラミング」を使い、ドローンをプログラミングによって動かします。使用するドローンはドローンスター01に加え、DJIが販売するTELLOにも対応し、屋内で安全に学ぶことができます。
DRONE STAR Academyはドローンの基礎とプログラミングを学ぶだけでなく、プログラミング講師の養成を目的としています。
同社は約1年間に渡り、全国各地の児童や教員、約3000名に向けてワークショップを実施し、アプリ開発やプログラミング教育の考え方を研究してきました。その中で、1からプログラミングを勉強し、しっかりと身につけるには教育側があらゆることを学ぶ必要があると考え、3つの課題が浮かび上がりました。
・教育の実施方法
・安全の確保・担保
・授業の目的
以上の3つを兼ねたスタンダードな教育が存在していないのが現状に注目し、同社は「DRONE STAR Academy」を開講。坂本氏は、”授業を創造する土台”を作るために様々な支援者を通じてプログラミングの授業を作り上げていく姿勢を発表しました。また、DRONE STAR Academyを通じてプログラミング教育に関するコミュニティを立ち上げ、教材開発者やアプリ開発者の養成も視野に入れています。
充実したコンパクトな2日間で学べるカリキュラム
DRONE STAR Academyは4月から開講し、3日・4日が第一回目の開催となります。受講の受付は各回20名が定員となり、2月21日から公式サイトが公開されました。(https://www.dronestar.jp/dsa/)
今まで同社は10〜12日間の授業を開催してきたが、DRONE STAR Academyではドローンの操縦・航空法などの基礎知識とScratchを使ったプログラミングの基礎・実践を2日間で学ぶカリキュラムとなっています。受講料は教材や機材を含め18万円(税別)。移転したばかりのORSO本社(東京都・神田)で開催されます。
カリキュラムには、これまで同社が培ったノウハウを反映。一般的にプログラミングと聞いても、「一体何に使うものなのか?」という声が多く、プログラミングの目標は見えにくく、分かり難い物となっています。そこで、DRONE STAR Academyではプログラミングを使ってミッションを解決するようなテーマを設け、目標を提案する形で授業を行います。そして、アプリ開発企業として誰でも触れる簡単なインターフェースをコンセプトにアプリ開発を行っています。DRONE STAR Academyでは授業を動画で撮影することで、結果を後から振り返れるような工夫も予定しています。ドローンスクールやプログラミングスクールを運営する受講者は、DRONE STAR Academyの授業を受講後、DRONE STAR プログラミングを活用した講座を開講することができるといった受講の魅力もあります。

DRONE STAR Academy講師 原田久美子氏
講師にはサイエンスをテーマに学びを提供するMQ LABOの原田氏も参加。ドローンを活用したSTEAM教育を通して、科学技術分野への興味関心を高め、ドローン×〇〇〇といったように他ジャンルのものを掛け合わせ、未来創造とデザインする力を身につける授業を行っていくとしています。