FEEL WORLD F5 ProとFEEL WORLD LUT7の製品解説と比較
一般的にドローンを操縦する際は飛行中のドローンの状況を確認するために、ドローン本体と外部モニターを無線接続する必要があります。スマートフォンやタブレットなどに操縦用のアプリをDLして接続する方法が手軽ですが、専用のモニターを使用する例も少なくありません。本記事では、外部モニターとしてZhangzhou Seetec Optoelectronics Technologyが自社のブランドFEEL WORLDから同時期に発売した『FEEL WORLD F5 Pro』(以下F5 Pro)と『FEEL WORLD LUT7』(以下LUT7)の2種類のフィールドモニターを比較し、ドローンの操縦にフィールドモニターを使用するメリットと2製品の適した用途を解説します。
●Written by 谷裕輝(Tani yuki)
フィールドモニターとスマホ等との違い
■日射に強い
ドローンを屋外で使用する場合、スマートフォン等の輝度だと日射によって画面が見づらくなる場合があります。屋外での使用を想定したフィールドモニターは輝度が高いため、日射の強い環境でドローンを使用する際はフィールドモニターの使用が適しています。
■第三者に映像を見せやすい
タブレットの場合は別ですがスマートフォンだと画面が小さいため、飛行中の映像を第三者に確認してもらう際、画面を共有しやすくなります。
F5 ProとLUT7の性能比較
FEEL WORLD F5 Pro | FEEL WORLD LUT7 | |
モニターサイズ | 5.5インチ | 7インチ |
解像度 | 1920×1200px | 1920×1200px |
輝度 | 500 | 2200 |
ピクセルピッチ | 0.0639(H)×0.0213(W)mm | 0.07875(H)×0.07875(W)mm |
アスペクト比 | 16:9 | 16:10 |
明るさ | 500cd/㎡ | 2200cd/㎡ |
コントラスト比 | 1000:1 | 1200:1 |
バックライト | LED | LED |
サイズ(L×H×D)mm | 148×93×20 | 190×126×27 |
重量 | 245g | 460g |
入出力 | HDMI×1 Type-C×1 | HDMI×1 DC×1 |
オーディオ | ステレオヘッドフォン | 3.5mmステレオヘッドフォン |
消費電力 | ≦9W | ≦20W |
電源コネクタ | DC | DC |
バッテリープレート | F970バッテッリープレート | F970バッテリープレート |
タッチパネル | ○ | ○ |
モニターアーム | ○ | ○ |
サンシェード | × | ○ |
3D LUT/SDカード | × | ○ |
価格(税込) | 1万6500円 | 3万800円 |
F5 ProとLUT7のスペックとそれぞれの項目の比較は上記の表のようになっています。この表を基にそれぞれのディスプレイの特徴についてみていきましょう。
FEEL WORLD F5 Proの特徴
■コンパクトでロープライス
F5 Proは画面サイズ190×126×27mmのLUT7と比べて148×93×20mmと小型で、重さも245gとほぼ半分の重量のため手軽に使うことができ、価格も税込み1万6500円と手の出しやすい価格設定です。
■簡単なタッチスクリーンとプロフェッショナルなカラーキャリブレーション
タッチパネルを搭載して簡単なタッチスクリーンが可能であるとともに、1920×1080pxの高解像度とREC-709キャリブレーションを搭載したことで、簡単な操作で撮影した画像を編集できます。
※カラーキャリブレーション:画像の取り込みや表示・印刷を行う装置を用いて、正確な発色になるように事前に調整する機能。
■幅広いモニター、電源に対応
4K HDMI入力とループアウト※があることで、ライブ映像を表示するだけでなく、他のモニターにライブ映像を送信することができます。また、Type-C入力、F970バッテリー、電源キット、8.4V DC出力を備えているため、多くの電源に対応しており、電力の確保に困りません。

さまざまな接続端子に対応できる
※ループアウト:送信機と出力させたいディスプレイ等の受信機を接続させる機能。
『FEEL WORLD LUT7』の特徴
■本格的なディスプレイ
FEEL WORLD F5 Proと比べて画面サイズが大きいため、複数人で画面を確認しやすい製品です。また、FEEL WORLD F5 Proと同じくタッチスクリーンやカラーキャリブレーション、ライブ映像の送信、電源対応の幅広いの機能を備えています。
■驚異の輝度
鮮明な画像という点でF5 Proも十分なスペックがありますが、500nitの輝度では日差しが強い環境での使用は難しくなります。しかし、LUT7の輝度は2200nitとF5 Proの4倍以上の輝度があり、室外の日差しの強い場所でも問題なく使用することができます。

屋外での画面の比較
■ビデオ分析アシスタントパターン
ウェーブフォーム/ベクトルスコープ/ヒストグラムに対応し、縮小された撮影映像、選択したウェーブフォーム/ベクトルスコープ/ヒストグラム※、埋め込みオーディオレベルを並べて表示することができます。撮影時のシーンによっては、例えば白とびの原因が不明である時に、これらの機能を並べて表示していると、ヒストグラムではわかりにくい問題でもウェブフォームであれば異常がわかるといったケースがあります。そのような時にあると便利な機能です。
※ウェーブフォーム:映像の水平ラインの輝度信号と色信号を波形で表示させ、それらを合成させて表示させることのできる機能。別名波形・パレード。
※ベクトルスコープ:映像内の色相と彩度を測定して表示させる機能。
※ヒストグラム:分布図のことを意味し、横軸が照度、縦軸がピクセル数で数値を表示させる機能。
本格的な業務などにも使用できるLUT7と手軽に鮮明な映像を楽しめるF5 Pro
FEEL WORLD社の2つのフィールドディスプレイを比較しましたが、簡単に言うと手軽に低コストで十分なスペックがあり、室内での使用が多い場合は、F5 Proを検討し、ハイスペックさを求めて室外でも使用する機会が多いと考えられる場合は、LUT 7を検討するのが良いです。
使用用途としては、F5 Proの場合は室内で趣味やスポーツの観戦等に使ったり、室外の場合でも観察だけが目的ではない農業の散布材を撒くことのできるドローンを使う際にもおすすめです。
一方、LUT7の場合は輝度の高さから鮮明な画質での撮影が可能であるため、ちょっとしたヒビも観測する必要性のあるインフラ面での使用や、一瞬たりとも危険にさられている人を見逃してはならないことから人命救助等に使用するのがおすすめです。
スマートフォン等で手軽に操作するのもいいですが、是非こちらのディスプレイを使用して、快適にドローンを操作してみてはいかがでしょうか。
@Zhangzhou Seetec Optoelectronics Technology Co. Ltd.-F5 Pro製品ページ
@Zhangzhou Seetec Optoelectronics Technology Co. Ltd.-LUT7製品ページ