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Mavic2の変更点と新機能を発表!体験会で分かったファーストインプレッション

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DJI JAPANはMavic Pro、Mavic Airに続くMavicシリーズのフラッグシップモデルMavic2 Pro /Zoomの国内発表を行った。既にニューヨークで8月23日に公開発表されているが、DJIが日本向けに発表するのは本日(8月29日)が初となり、メディア向けに実機のフライト体験を含めた発表会を実施したのでファーストインプレッションをお届けする。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


Mavic2 ProとZoomの進化するカメラ性能

新製品のMavic2にはProとZoomの2種類をラインナップ。両モデルともコンシューマー向けのフラッグシップモデルとして、プロ向けと趣味向けの両方を担える立ち位置のドローンとして発表された。

DJI Mavic2 Pro
●税込価格:18万9000円

Mavic2 Proは1インチCMOSセンサーを搭載しており、カメラはハッセルブラッドのブランドを冠したものだ。Mavic Proに比べて4倍に相当するカメラ精度を実現し、本格的な撮影を行うのに必要な絞りの設定も可能となった。このカメラの高スペックな部分(10bit Dlog-M、10bit HDR動画)により、今まで以上に美しい映像を撮影することができる。

DJIはハッセルブラッドとパートナーシップを取り、ドローンのカメラに初めてハッセルブラッドの名前を表記することを実現した。そして、一番の恩恵はハッセルブラッドが独自に開発したハッセルブラッド ナチュラル カラー ソリューション(HNCS)にある。この技術は色彩の細部まで忠実に再現した20MPの空撮映像が撮影でき、より鮮明な仕上がりとなる。

DJI Mavic2 Zoom
●税込価格:16万2000円

もう一方のMavic2 Zoomはコンシューマー向けのDJIラインナップでは初となる光学2倍ズームを搭載したモデル。1/2インチのCMOSセンサーを搭載し、Proほど高スペックなカメラを搭載しているわけではないが、コンシューマー向けのカメラとしては十分な映像を作り出し、12MPの静止画の撮影を可能にした。

ただし、ズームできる強みは被写体に近づかずにアップで撮影が可能になっただけではない。Proより若干劣るカメラ性能を補うことにも使われ、新たに搭載されたクイックショット(ドリーズーム)の面でも有効に活用できる。

カメラ性能を補うというのは、一度画角を決めて1枚の写真を撮影した後、その1枚の写真を9等分して1箇所づつズームインして撮影していく。この全体の写真に9箇所のズーム写真を合成することで、48MPの超高解像度の写真が完成する。この撮影機能はメニューから選び、シャッターを切るだけで自動で行ってくれる。なお、ズームカメラはデジタル2倍ズームと光学2倍ズームを組み合わせ、24mm-48mmの範囲でズームが可能。

両モデルともにHDR撮影の精度も強化されている。通常のHDRは露出の異なった3枚の写真を撮影して合成するが、最新のHDRでは3枚以上の撮影を行うことで、より明暗の部分を繊細に映し出して白飛び等を低減した。Proでは14ストップ、Zoomでは13ストップとなる。

 

撮影表現が広がる拡張された撮影モード


Mavic2は近年SNSなどで見かけることが多くなったタイムラプスを、より美しい映像と安定した飛行で撮影するハイパーラプスを搭載。長い広域な距離を長時間で撮影することができ、街並みの風景などを美しい表現で映し出す。今までのタイムラプスは撮影に関するシャッタースピード等の設定が必須だったが、ワンタッチの動作で撮影できるようになった。撮影の種類はフリー、サークル、コースロック、ウェイポイントの4種類から選択できる。

・フリー
ハイパーラプスモードでマニュアルで飛行操縦が行える

・サークル
選択した被写体の周辺をサークル状に自動飛行しながら撮影

・コースロック
直線飛行中にカメラを被写体に固定して撮影

・ウェイポイント
高度とGPS座標の両方に基づいて飛行経路を計画して撮影

ウェイポイントを活用すれば昼と夜の景色を同じ画角、同じコースで撮影することができるなど、様子の違い等を撮る際にはとても面白い表現が可能。

次に、SparkやMavic Airに搭載されていたワンタッチで様々な撮影技法を選択できるクイックショットにドリーズームが追加された。


ドリーズームはMavic Zoomのみ搭載された撮影モードで、機体を後退させながら映像はズームインさせる撮影方法。すると、被写体を変化させずに周囲の景色だけ動くといった独特な撮影が可能となる。


また、撮影モードだけでなくMavic Airで劇的な進化をしたことで驚かされたアクティブトラックも進化している。従来は被写体を認識して追尾していくことはできるが、被写体が物陰に隠れてしまった場合は追いきれずにキャンセルされる仕様だった。ところが、Mavic2に搭載されたアクティブトラック2.0では一旦物陰に隠れてしまった被写体でも、動きを予測して追尾しつづけることが可能になった。

 

飛行安定性を向上した全方位障害物センサー

Mavic2の機構はMavic Pro同様に折り畳み収納システムを継承し、DJIのラインナップの中でも本格的な撮影性能を持ちながらも、持ち運びに適したドローンといえる。

従来のMavicシリーズもコンパクト化に力を注いできたが、Mavic2はさらに空気抵抗の改善も施し、Mavic Proに比べ19%の空気抵抗を低減することに成功した。また、動力となるモーター、ESC、プロペラを再設計し、静音性を高めながらもモーターのパワーも向上されている。パワー出力の向上もあり、バッテリー持続時間は約30分を実現した。バッテリーの形状は従来のMavic Proから変更されているため、流用はできない。

伝送システムはOcuSynk2.0を採用し、長距離の区間においても1080pでの映像伝送ができる。最大距離は5km。

プロポの形状も従来のものから改良が施され、持った時のフィット感を出すために若干厚みを持たせている。

また、Mavic Airと同様にレバーの先端は脱着式となっている。

内蔵ストレージには8GBを搭載し、メモリーカード不要で短時間の撮影を記録。長時間の撮影には機体に設けられたMicro SDカードスロットを利用する。

そして、Mavic2の最も改良されたポイントは全方向に搭載された障害物検知システムだ。前方、下、左右、上の6方向に計10個のセンサーを搭載している。障害物に向かって前進しつづけてもAPASにより自動で回避できる。下方向には新たにLEDライトを備え、より視認性がよく、暗い場所での扱いやすさを向上した。

 

Mavic2をファーストインプレッション

今回のDJI JAPANによる発表会はフライト体験会として開催され、いち早くMavic2に触れられる機会となった。短時間ではあるがPro及びZoomのフライト体験をしてきたのでお伝えする。

まず始めに、飛行の安定性に関してはとても親しみやすく安心感がある。DJI製品が発表されるたびに、「安定感は良好だ」と述べている気がするが、DJIは新製品を投入するたびに飛行安定性を的確に改善し、進化の感動を与えてくれるのだ。じっくりレバーを倒せば、思い通りの速度と慎重さでじっとりと動き、ガバッとレバーを倒せば荒々しさを感じずにスーーッと移動する。

なお、プロポが改良されて右側にはスポーツモード、ポジショニングモード、トライポッドモードがスイッチで設けられている。これは移動する速度を制限するものだが、手元で簡単に切り替えられるので場面に応じて瞬時に切り替えられる。とくにトライポッドモードは超低速で移動し、初めてドローンを飛ばす場合や、じっくりと移動して空撮をしたい場合にとても適している。最大速度はMavic Proに比べて約7m/s速くなっているため、スポーツモードでレバーを全開で倒すと、DJIスタッフとともに「速っ!!」と声がでるほどだった。

次に、個数が増えて検知精度が向上した障害物センサーを試す。APASモードにして障害物に対して真っ直ぐ前進すると、ハッと思わせる間も無くスッと障害物を避けてくれる。また、後方にもセンサーを搭載しているので、後進する場合も同じように障害物を避けてくれることが確認できた。


※映像は4kで撮影したもの
そして、Mavic2 Zoomのズーム機能も試すことができた。プロポの右上に設けられたチルト操作と同様のローラー型スイッチでズームを調整する。動作はスイッチを最大限に押しても常に一定の速さでズームイン/アウトを行う。ズーム機能はアクティブトラックを行っている最中でも作動させることができた。

超高解像度モード


実際に超高解像度撮影とドリーズームを体験してみたが、本当にワンタッチで自動で行ってくれるので、旅行先で手軽に撮影したいといった需要に応えてくれるのは間違いない。超高解像度撮影は後にPCで撮影した静止画を拡大させて観覧してみたが、通常の撮影に比べ、かなりの拡大まで鮮明に映し出される。ドリーズームは見慣れない撮影技法なだけに少々酔いそうになるような映像だが、撮影をスタートすると後進を始め撮影が終わると最初の地点に自動で戻って来るなど、手軽で安全に面白い撮影が楽しめるのは魅力的だ。

そして、離陸した際に一番最初に感じたことはとにかく静音性が改善されている点。Phantom4 Pro V2.0やMavic Platinumは静音性が向上され、メカノイズのような甲高い音が消されていた。しかし、Mavic2は音量その物を確実に静かに低減している。今まで聞いてきたドローンの音と比較して、改めて音による威圧感や存在感を考えさせられた。

既にMavic2の情報は事前に入ってきてはいたが、実際に飛ばしてみると、離陸した時点で「なんかこれなら良い映像が撮れる気がする!」と思わせてくれた。

全国12店舗のDJI認定ストアでMavic2の体験会を9月より予定しているので、ぜひ足を運んで体感することをオススメする。

 

DJI CARE REFRESHが日本にも導入決定

最後にMavic2の発表とともに、DJI CARE REFRESHを日本に導入することが発表された。DJI CARE REFRESHは選定されたDJI製品を対象にした保証サービスで、専門スタッフによるサポート対応やドローンの事故による水没や衝突の故障修理サービス、年間最大2回までの本体交換サービスを提供する。加入する製品に対して税込1万7000円で加入することができ、機体とジンバルが保証範囲に含まれる。本体交換は1万5000円〜1万8000円の費用が発生する。また、故障してしまった後日に使用したいといった急な場合でも新たな機体が早急に手配される魅力もある。今後はSparkやInspireなどにも適用されていくと発表した。

 

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。