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日本発の「RAIDEN RACING」が世界に挑戦! “空のスポーツ”ドローンレース最新事情

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2018年はドローンの産業活用が期待され、ドローン元年と呼ばれている。それは産業だけではなく、ドローンレース市場も同じ。現状、日本ではドローンレースによる大きなブームは起きていないが、日本初のプロレーシングチーム「RAIDEN RACING」を発足し、世界リーグである「Drone Champions league(DCL)」に挑戦する動きも発表された。今一度ドローンレースについておさらいしてみよう。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


ヨーロッパ最高峰のドローンレース
「Drone Champions league(DCL)」

DCLはヨーロッパ発のチャンピオンズリーグ。150km/h〜200km/hに迫るハイスピードなドローンを巧みに操りレースを行う。チームは基本的に4人のパイロットで構成され、パイロットの体調不良や緊急時の控え選手としてオブザーバーと呼ばれる選手を付けることができる。なので、選手は最大6人でエントリーすることが可能だ。DCLは、世界の象徴的な会場で開催されることに注目されており、2017年にはフランスのシャンゼリゼ通りや、中国の万里の長城等で開催された。

レースは2チームづつ対戦していくチーム対抗戦。両チームにエントリーする4人が同時に出走(全8台)し、チーム選手の各順位をポイントに置き換えて戦っていく。レース用の機体にはGoProが搭載され、カメラ映像をFPVゴーグルに映し出して操作する。その臨場感のある映像もドローンレースの魅力のひとつとなっている。2017年の優勝賞金は50,000ユーロ(約650万円)。


レースの模様は世界76カ国で放送されている。累計視聴者は1.1億人にのぼり、日本においても株式会社ジェイ・スポーツが放送することを決定。

【DCLの開催日程は以下の通り】
第1戦:6月22、23日ーミュンヘン(ドイツ)
第2戦:7月4、5日ーマドリード(スペイン)
第3戦:8月10、11日ー万里の長城(中国)
第4戦:8月31日、9月1日ーファドゥーツ(リヒテシュタイン)
第5戦:9月21,22日ーブリュッセル(ベルギー)
第6戦:10月12、13日ーチューリヒ湖(スイス)

 

日本初のチーム「RAIDEN RACING」が誕生!世界に挑む!

2018年のDCLには、DRONE SPORTS株式会社が発足する日本初となるプロレーシングチーム「RAIDEN RACING」がシリーズ参戦を決定。RAIDEN RACINGは、実業家である堀江貴文氏がCo-Founderとして出資し、小寺悠氏がCEOを務める。また、DCL映像総監督としてアントン・ネルソン氏が映像PRなどを担っていく。

RAIDEN RACINGは4人の選手とプロ契約を交わした。後藤純一選手(37)、阿左美和馬選手(17)、鈴木匠選手(13)インドネシア人のAxel Mario(アクセル・マリオ)選手をチームとしてサポートしながら世界No.1チームを目指していく。

 

世界とのギャップを埋める、ドローンレース=スポーツ!

DRONE SPORTS株式会社CEO 小寺悠氏

小寺氏は日本のドローンレース市場について語った。

「世界ではドローンレースが新しい“空のスポーツ”として盛り上がりを見せており、車のレースであるフォーミュラー1などと同様に捉えられている。そして、2018年にはドローンレースが世界的にさらなる盛り上がりを見せ、市場が拡大していく。そのなかでもDCLはアジアでのマーケット拡大を図っていることもあり、参戦を決定した。」

「日本ではドローンレースがホビーとして捉えられており、普及していない現状が続いている。世界に遅れを取らないためにも日本初のプロレーシングチームとして盛り上げていきたい。また、日本チームが活躍することで規制などの面でも発言力を持てるようにし、2019年にDCLが検討している日本開催を実現化させたい。」

「RAIDEN RACINGはモータースポーツなどと同様に、パイロットやスタッフに専用ユニフォームを用意する。スポンサーを募集して、ユニフォームに企業のロゴなどを入れることで運営を行う。そして、DCL参戦以外にも日本で開催されるイベント等で、体験会などの啓蒙活動をチームとして取り組んでいくことを予定している。」

 

レースの発展は間違いない!夢が持てるドローンレース!

Co-Founder 堀江貴文氏

起業家でもある堀江氏はオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学(HIU)」を主宰。現在2000名近いメンバーがアクティブに活動をしている。ドローンには早期から注目しており、ドローンレースの可能性と、RAIDEN RACINGでの自らの役割について語った。

「当時、森の中を疾走するドローンレースの映像を観て共感し、HIUでもドローンレースを開催しよう!ということで日本初のドローンレースを開催した経歴もあり、ドローンには注目している。スポーツやエンターテインメントにおけるドローンはこれから盛り上がり、ドローンレースが世界的に発展するのは間違いない。」

「私はドローンの操縦は上手くはないが、テクノロジーについては完全に理解している。そういった面でもRAIDEN RACINGのプロモーション活動とスポンサー募集活動を担って最大限貢献していく。」

 

「これからの時代はロボットやAIが主軸となってくる。それにより人間の働く時間にも余裕が生まれ、スポーツやエンターテインメント性のあるものに打ち込む人は多くなる。ドローンレースやEスポーツは、子供がこれから始めてもプロを目指すことができるので、とても夢が持てる。このようなことから、投資家という目線で見ても面白いし、必ず大きなリターンを得られると見ている。」

「また、これから日本でドローンレースを広めていくためには、ドローンレース単体でイベントを行うだけではなく、ほかのジャンルのスポーツやイベントと掛け合わせて魅了するエンターテインメント性が必要。ドローンを知らない・興味を持っていない人も足を運びやすい環境を作り、多くの人に興味をもってもらう。そこからメディアをとおして活性化し、スポンサー企業が増えれば好循環が生まれていくと思う。」

 

日本開催が難しいとされている理由とは?


なぜ世界リーグを日本で開催することが難しいのか?
それには日本の規制が大きく関係している。まず、航空法による規制の問題があり、人口密集地での飛行が禁止されていることや、催し物上空での飛行、目視外飛行に該当してしまう。

さらにそれ以上の問題として、電波法の問題がネックとなっている。世界リーグで採用されるFPV飛行を行うために使用するVTX(映像の無線送信機)は5.8GHzの周波数帯を利用している。日本国内で5.8GHzの周波数帯を利用することは制限されており、アマチュア無線従事者免許の取得とアマチュア無線局の開局が必須だ。なので、海外選手が日本戦に挑む際にはエントリーすることが非常に難しい。それに加えて、アマチュア無線局をプロドローンレースという業務目的で使用することは禁止されている。

また、5.8GHzのアマチュアバンドを使用するとなると、周波数ごとの干渉が考えられることから、同時に飛行できるドローンは3台が限度になるとされていることもあり、世界リーグのように8台同時に飛ばすことが難しい。

報道陣からは5.8GHzのVTXを使用することについて、「プロレーサーとして日本で練習することは業務使用にあたるのではないか、というアマチュア無線家からの指摘の声も聞かれるが?」と厳しい質問も寄せられた。

この質問に対し小寺氏は「言葉の捉え方の問題ではあるが、あくまでもレースに参戦・派遣することがDRONE SPORTSとしての業務であり、練習は業務の一環ではない。レースで活躍することによって発言力のあるチームを目指し、電波法や規制の問題を変えていきたい。」と答えた。

以上のやり取りからも分かるとおり、ドローンレースを日本で発展させるには、多くの課題をクリアすることが必須となる。しかしRAIDEN RACINGだけでなく、国内レースを主軸に活動しているレース団体も活発に普及促進活動にあたっているのも事実であり、各団体が切磋琢磨して業界を変えようとしているのだ。

 

国内・世界でメジャーなドローンレース団体

ドローンレースを開催する団体はDCL以外にもメジャーな団体がいくつか存在する。各レースではレギュレーションが違うことから、使用する機体やレースのルール、参入のためのハードルなどの団体によるカラーがある。

・日本ドローンレース協会(JDRA)

JDRAは国内を中心にドローンレースを開催する団体だ。子供でも手軽に扱えるマイクロドローンを使用したレース「JDRA TINY WHOOP Japan Cup」を全国各地で展開している。また、雑木林の中をレーサードローンが150km/hの速度で疾走するForest Drone Racingも神奈川県で開催した。昨年にはジャパン・ドローン・チャンピオンシップとして、ハウステンボスでレースを開催するなど、様々なカテゴリーのレースを展開している。Japan Drone NationalsもJDRAの活動の一環。
https://www.jdra.or.jp/
http://japandronenationals.com/

・JAPAN DRONE LEAGUE(JDL)


JDLは福島や茨城、千葉などで2018年のシリーズレースを開催している団体だ。レースカテゴリーの昇格システムを導入していることも特徴で、初心者でも始められるオープンクラスからエキスパートクラス、さらにはプロクラスと区分けされている。使用される機体はモーター軸間が330mm以下のもので、4〜8インチとドローンレースとしては大柄な部類のドローンが使われる。2018年の年間シリーズチャンピオンには100万円の賞金が進呈される。
https://www.japandroneleague.com

・Drone Impact Challenge


海外からのチームが数多く参戦する国内最大級のドローンレース。2015年に発足し、2017年には横浜の赤レンガ倉庫でレースを開催したことで話題を呼んだ。同イベントではFPVによる本格レーサーを使用するマスタークラス、目視飛行によるレギュラークラス、マイクロドローンによるFPVのTINYクラスなどのカテゴリー区分がされている。
http://dichallenge.org/


■問い合わせ
RAIDEN RACINNG公式サイト

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。