ドローンの未来を発掘するエンターテインメントマガジン DRONE NEXT

荷物の昇降を自在に操るドローン用ウインチが発売

Google+

産業ドローンでは、ドローンに荷物を積載して運ぶことが求められ、物流分野にも多くの企業が注目している。一般的にはドローンの下部に収納ボックスを設ける手法が主流だが、新たに釣り竿に使用されるフィッシングリールを採用する手法が登場したので紹介しよう。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


高所から荷物をゆっくり降ろせるドローンウインチ

岡谷鋼機株式会社はグローブライド株式会社で開発されたフィッシングリールをドローンに搭載し、ウインチ変わりにすることで、産業用ドローンに付加価値を付けた製品として販売を開始した。

ドローンウインチ

幅110mm×高さ86mm×奥行き70mm

電動で動くフィッシングリールを利用することで、搭載物を丁寧に地面に置くことができるほか、ヘリや人が近づけない場所に物を運ぶことが可能になる。実際に警視庁災害警備総合訓練では人命救助の一環として、AEDの搬送デモを行なっている。また、ドローンによる遭難救助コンテストである「Japan Innovation Challenge2017」には参加する13チームのうち、4チームにウインチを提供し、提供したチームが課題達成を独占したという実績も残された。さらに、自然災害による調査では、人の立ち入れない遠隔地にドローンを飛ばし、地滑りセンサーの設置&回収を行なう火山調査を成功させた。

岡谷鋼機がグローブライド製のフィッシングリールをドローンに採用した理由には、ドローンの運動性能を損なわないことや、ドローンの下部に搭載することで電波を遮断しないサイズなどを考慮し、コンパクトかつ軽量でDAIWAフィッシングリール技術を活用した当モデルを採用することとなった。自重約500gのフィッシングリールには80mの釣り糸が収納され、プロポの操作によって釣り糸の昇降動作が可能だ。

この釣り糸にはマグロ釣りなどで用いられる強度の強い糸が採用されており、最大約70kgfの荷重に耐えることができる。ウインチを搭載するドローンはペイロード3〜10Kgのドローンであれば問題なく搭載でき、現状ではDJI Matriceでのシェアが多いと言う。

糸の先端には特殊なカラビナが備えられており、このカラビナに搭載物を引っ掛けて使用する。カラビナは特殊な構造で、テンションがかからなくなるとリリースする仕組みになっている。空中でドローンに荷物を吊り下げた状態であれば、カラビナから外れることはなく、地面などに荷物が設置し、テンションがフリーになった時にリリースされる。

ウインチの動作には電力が必要となるが、バッテリー内蔵式のものと充電式のふたつをラインナップしている。ウインチを動かすシーンは少なく、それほど電力を消費しないことからバッテリーでも十分活用できる。また、ドローンに搭載する他にも、工事現場などで身体に備えておくことで、作業道具の受け渡しをするといった活用ができる携帯用ウインチも準備中だ。

「いいね!」を押して
ドローンの最新情報をGET

Twitter で

この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。