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intel製ファルコン8+の発売情報と自社開発のソフトウェア

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インテルは今年4月に開催された展示会で、業務用ドローン「ファルコン8+」を展示し、年内中に日本で販売していくことを発表した。初公開から早くも3ヶ月が経った今、いよいよ発売が間近に迫っていることや、実用的なソフトウェアの存在などが見えてきた。

●Written by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)
●Photo by 芹澤 優斗(Yuto Serizawa)


簡単操作でフライトプランを自動で作成!

INTEL FALCON8+

プロペラは8枚装備され安定した飛行を実現

ハの字状のカーボンフレームの前方に、上下90度可動するジンバルカメラを搭載したインテルのファルコン8+は、JUIDA認定校であるドローン大学校代表理事が取締役を務めているドローンラボがリセラーとなり、国内で販売していくことが今年4月に明らかになった。
※ファルコン8+の詳しい機体情報はこちら

2016年に本国で登場したファルコン8+はアメリカやヨーロッパでは既に多くの企業に導入されている。海外での活用実績も豊富なうえに、インテルが開発したことで信頼も厚い。ところが、日本ではこれから導入されることもあり、まだまだ全容が明るみに出ていなかった。そして、いよいよ発売が近づいてきたこともあり、予定価格や関連するソフトウェアの強み、発売時期などが明らかになってきた。

ドローンラボとインテルは、日本で販売を実現するに当たって最低限必要となる準備をこの3ヶ月間で進めてきた。現段階は技適を取得したところで、引き続き製品の安全性を示す規格であるPSEの取得を進めている。そして、PSEを取得すればいよいよ販売が始まり、企業に導入されていくこととなる。予定では9月頃から販売開始がアナウンスできるとしている。

以前の記事ではファルコン8+のハード面の特徴を解説したが、インテルが提供するのは機体だけでなく、ソフトウェアも用意されていることが分かった。ファルコン8+は業務用ドローンなので、機体だけでなくしっかりとしたソフトウェアが存在して初めて最大の仕事効率を発揮する。

INTELドローンソフトウェア

建造物の点検飛行ルートを作成

始めにインテルが自社開発したソフトウェアは、フライトプランを作成するソフト。このソフトは機体とパッケージになっていて、フリーで利用が可能だ。特徴はなんといっても誰でも簡単に使える扱いやすさにある。

INTEL ドローン

格子状等の飛行形式も設定できる

例えば建造物の点検を行いたい場合には、被写体を線で囲むだけでフライトプランを自動で作成してくれる。飛行ルートは太い白線で表示され、それに加えてカメラのアングルワークや撮影ポイントも自動で作成し、細い白線で表示される。

設定メニューでは、被写体からの距離や、最高高度、離着陸ポイントなどを数値で打ち込むことで細かく設定できる。今となっては簡単な操作でルート作成や飛行に関する設定をいじれるのは珍しくなくなってきたが、さらにこのソフトが賢いと思えるのはカメラの設定にある。インテルはファルコン8+に搭載可能なカメラを4種類リリースしており、これらのカメラを搭載してソフト上で選択すると、搭載したカメラで点検を行う際の最適なアングルなどを考え、自動でカメラの動きを作成してくれるのだ。

インテルの永井氏は「建造物などを撮る場合、真俯瞰や真横から撮るよりも、若干斜めから撮影したほうが精度の高いデータを取得できる場合もある」という。

隣の建物も飛行ルートを繋いで作成

飛行プランは複数の建造物であっても1フライトでルートを作成してくれるが、1度の飛行時間が20〜25分のため、バッテリーの残量が無くなると自動でホームポイントに帰還する。通常のドローンであれば、その場で1度電源を落とした後にバッテリーを交換し、再開を始めるが、ファルコン8+はホットスワップができる構造になっており、バッテリーを差し替えるだけですぐさま再開することができるのも賢い。作業は自動で途中の場所からスタートしてくれる。

また、いざ飛行を開始したい場合に、この場所でドローンを飛ばせるのか?という課題に直面することが必ずあるはずだ。そんな時にユーザーをサポートするソフトが、フライトプラン作成ソフトには備わっている。国内では楽天が展開を図っているAirMapが連携ソフトとして備えられており、飛行させたい場所がDID地区でないか?や周囲に空港はないか?といった情報を促してくれる。そして、飛行に条件がある場合は、どんな許可が必要なのか?といった申請するべき許可などを教えてくれる仕組みになっている。なお、AirMapは情報を得るだけのものではなく、最終的には飛行の許可を出す団体や地方自治体に導入することで、ネット上で飛行申請を完結させられる仕組みとして普及中だ。

パソコン上で作成したフライトプランはUSBフラッシュメモリーに保存した後、ファルコン8+のプロポにUSBフラッシュメモリーを接続するだけで、データを読み込みフライトを開始する。現場ではパソコンを持ち込まずにフライトを行うことが可能だ。ソフトウェアのマップ上と現場のGPSでは、多少の誤差が生じるが、飛行前に自動で補正がかかる。

インテルのデータ解析用クラウドシステム

撮影データを元に3D画像を作成

インテルが提供するのはフライトプラン作成ソフトだけではない。取得してきたデータを3D画像に変換してくれるクラウドもリリースされている。これにより、点検業務では細かな部分をチェックしていくことができるし、建造物などの測量等にも威力を発揮できる。クラウドの利用は月額制を予定しているとのことだ。

ファルコン8+の販売と導入

ドローンラボが予定しているファルコン8+のパッケージはファルコン8+(本体+バッテリー2本+プロポ)、フライトプランソフトウェア、ペイロード(搭載するカメラ1個)、保険、導入レクチャー、を含めて現在では300〜400万円で販売を開始する見込みだ。ただし、搭載するペイロードによって価格は前後する。

導入時にはドローン大学校のスタッフが企業に出向き、操縦者のレベルに合ったレクチャーを施す。すでにドローン大学校のスタッフはファルコン8+のフライトテストを実施するために、アリゾナに足を運びフライトを遂行している。ドローン大学校の理事長は「緊急時を仮定して、2つのプロペラを停止して飛行テストを行なったところ、安定した操作が可能だった」と、ファルコン8+の飛行性能が高いことに裏付けた。

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この記事は私が書きました。

DRONE NEXT編集長。1989年静岡県生まれ。自動車業界を経て、学生時代から趣味で乗っていたバイク好きが高じて2014年にバイク雑誌ヤングマシン編集部に配属。ある日、ドローンの新たなる未来と可能性に興味を持ち、2017年5月からドローンのフライトを始め、JUIDA認定校のドローン大学校を修了。