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テラドローンの海外進出!約20ヶ国で広がるドローンビジネス

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現在国内ではレベル4(目視外の自動操縦飛行)解禁に向けて、様々な規制緩和や技術の開発が進められており、各分野でのドローンの活用が大いに期待されています。また、海外におけるドローンの利活用も進んでおり活用事例が増えています。そこで、実際に海外でドローンビジネスを展開しているテラドローン株式会社(以下テラドローン)に取材し、現在展開しているドローンの取り組みについて伺いました。

●Written by 井口隼人(Inokuchi Hayato)


世界的に注目度が高いサービスプロバイダー

テラドローンは2016年に設立されたベンチャー企業。創業4年にして同企業の注目度は世界的に高まっています。2019年に発表されたドローンの市場調査を行うDRONEIIの企業ランキングでは、日本企業がトップ入りしないなか、テラドローンが世界2位の評価を受けるなど躍進を続けています。

出典:DRONEII.COM

今回はテラドローンが世界で取り組んでいるドローンビジネスの活用事例について紹介します。

サービスの飛躍的な発展が見込めるドローンビジネス

出典:インプレス総合研究所「ドローンビジネス調査報告書2019」

ドローンの普及と運用は年々拡大しており、インプレス総合研究所が発刊している『ドローンビジネス調査報告書2019』では、これからサービス市場が大きく発展すると予測されています。

分野別にドローンを活用するサービスが年々増加し、2024年度には全体の約70%を占めるだろうと予測されています。また、日本では点検分野への普及が最も進むと見込まれています。サービスプロバイダーのテラドローンは自社で開発したドローンの運行管理システム「Terra UTM」を点検や測量など幅広いサービスの主要プラットフォームとして提供し、日本や海外で幅広いシェアを獲得しています。それでは、テラドローンが実際に取り組んでいる海外の事例を見ていきましょう。

中国内で行われている輸送サービスの事例


ドローンによって配達されるKFC

テラドローンは中国国内の独占代理店としてアントワーク社のドローン物流システムを、 ドローン本体・ソフトを含めたパッケージ商品として販売。 さらに、このシステムを活用した食料品の出前サービスを展開しています。 スターバックスやKFCなどの企業に導入されている同社のシステムは、 7kg、 25ℓまでの食料品を、 30km以内の距離なら30分以内での配送が可能。 耐風性や防水性に優れており、 雨天での配送も問題ありません。同サービスが提供されている杭州は特別に人の頭上を飛ぶことが許可されている特区ですが、ドローンによる都市部での物流配送は商用ベースで実現が始まっています。このような物流サービスは食料品だけでなく、様々な物資や医薬品の輸送に活用されています。

海外特有の長距離に渡る構造物の点検

送電線やオイル・ガスパイプラインなどインフラ点検事業は大きな需要があります。
テラドローンはロシアの国営石油会社や国営電力会社に対してドローンによる点検や測量業務を行っています。3500kmに及ぶ送電線の点検作業はドローンによって大幅なコスト削減を実現できました。この事業で使用されるドローンはカメラを搭載したタイプです。
まずドローンをインフラ設備に沿って飛行させ、写真を撮影します。その写真データから得られた送電線と植生との距離や、腐食した箇所、ボルトのゆるみなどの詳細な情報をAIによって分析し、膨大なデータをレポートとして顧客に提出しています。

自動で生成されたレポート例

従来、数日かけて行われていた足場の設置や、高所作業車を使って実施されていた点検作業の大幅な削減が可能です。橋梁下のような非GPS環境下での点検作業などはまだ課題が残っていますが、ドローン点検の需要は技術の進歩とともに大きくなっていくでしょう。

鉱業分野での安全対策としての活用

海外では鉱業の安全対策の一環として、ドローンによる坑道の測量・分析も行われています。

ドローンによって生成された地下坑道の3Dモデル

鉱山では落盤など様々な原因による重大な事故は未だに多く、安全対策としてドローンによる事前調査が行われているのです。GPSを使用できない地下での運用には、SLAM(自己位置推定をしながら地図作成を行う技術)機能を備えた機体を使用し、オペレーターが離れた位置からドローンを先行させる形で坑道内を調査していきます。

地形だけでなく、内部の様子も把握できる

ドローンによる警備が行われたコロナ対策

離陸する警備ドローン

カザフスタンでは新型コロナウイルスの感染抑止のためにドローンによる警備が実施されました。カザフスタン政府は新型コロナウイルス感染者を確認した後、国境封鎖と首都ヌルスタンの封鎖に踏み切ったのです。政府の新型コロナウイルス対策本部とヌルスルタン警察との共同で行わた本事業で、テラドローンは固定翼機のドローンを100時間以上飛行させ、撮影した映像を対策本部のモニターに直接配信し、今回の施策をサポートしました。これにより、封鎖地域を避ける迂回路や違反者を発見することができました。

国内での需要も高い測量分野

ドローン測量は日本国内でも大きな需要を見込める分野です。
人の踏み入りづらい急斜面や植生の激しい場所でも、問題なく上空から地表面のデータを入手できます。
2018年9月28日に起きたスラウェシ島地震で被災したインドネシア・パルの復興に向けた測量で、テラドローンが開発したドローン搭載レーダーシステム「Terra Lider」が活用されました。

植生の上からでも災害の起こった地表面の状態を確認出来る。

ドローンによって得られたデータは解析までをテラドローンが行い、等高線やグランドデータなど顧客にとって必要な形で提出します。上空からのレーザー測量によって、従来の測量では立ち入りの難しかった場所を計測でき、大量のデータを短時間で入手できる測量ドローンの需要は国内でも高まっており、レベル4(有人地帯での目視外飛行)の解禁によってさらにその動きは加速するでしょう。

国内でのドローンビジネスの状況

「点検に次いで、土木測量の需要がいちばん大きい」とテラドローンの広報担当者は語っています。
ドローンによる点検作業ではGPSの届かない橋梁下の調査や、カメラの精度が追い付かないほど細かな亀裂の調査を求められる場面もあり、ドローン単体では完結しないのだという。

一方で、測量はドローン単体でほとんどの作業を完了することができるため、その有用性が高く評価されています。自社で開発したドローン搭載レーザーシステム「Terra Lider」は同機能を備えた他社製品よりも大きくコストダウンに成功し、レーザー測量ドローンの国内のシェアの大半を占めています。テラドローンの躍進の一因は、このような様々なソリューションに合わせた機能のドローンを運用できる自社開発のTeraUTM(ドローン運航管理システム)の活用にあると言えます。

ドローンの活用法は多岐に渡り、求められる性能も現場によって違いますが、テラドローンは必要なサービスを提供することで高い評価を得ることに成功しました。次々と新技術が開発され、様々な活用法が模索されていますが、実証実験やデモンストレーション止まりで商用活用にまで進まないことは珍しくありません。法規制による制限もありますが、実際にドローンを使用した現場の声が少ないことも、今後の課題の一つだとテラドローンは語っています。

新しい技術を導入することに抵抗を覚える保守的な企業は国内に多く、そういった企業にドローンの導入を踏み切らせるのはやはり実際に使用した現場の声です。
レベル4解禁によってドローンを導入した現場が増えることで、ドローンのビジネスシーンはより大きく活気づいていくのではないでしょうか。

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この記事は私が書きました。