東京モーターショー2019でFAI公認ドローンレースの開催が決定!

自家用車の自動運転技術を巡り、従来の自動車メーカーに加え、グーグルやウェイモ、テンセントなど多くの技術開発メーカーが参入し、自動車業界は大きく変貌を遂げる時代に突入しています。自動運転・無人化の派生としてドローン・空飛ぶクルマの存在も自動車業界から注目され始めており、10月に開幕する東京モータショー2019ではドローンレースがコンテンツに組み込まれると発表されました。


社会とドローンを繋ぐFAI公認ドローンレースを日本で開催

2019年8月26日、東京都品川区にてDrone Tokyo 2019 Racing & Conference実行委員会(以下 DTRC2019)は東京ビッグサイトで10月24日~11月4日の期間に開催する東京モーターショー2019にて、国際航空連盟(FAI)公認のドローンレースを開催すると正式発表しました。

DTRC2019実行委員会は、日本空港協会、DroneFund、株式会社A.L.I Technologies、プロドローン名古屋鉄道株式会社、中日本航空株式会社、株式会社電通名鉄コミュニケーションズのメンバーで構成され、実行委員長は衆議院議員の今枝宗一郎氏が務めています。

DTRC2019実行委員会の副実行委員長を務めるDrone Fund共同パートナーの千葉光太郎氏はエアモビリティ社会の動きと東京モーターショー至上初の開催となるドローンレースイベントの目的について説明。

「ドローンレースがドローンのルールと技術の追求に繋がることが一番のキーワードであり、車業界はレースによりコンマ何秒を競いあう過程で技術が磨かれてきました。ドローン業界がこれから発展する上で車と同様にドローンレースが技術を牽引していくのではないでしょうか」

と考えを述べ、ドローンレースがドローン業界の活性化に繋がることを期待して開催が決定したと話しました。また、ドローンを活用するにあたっては、

「日本は高齢化、建築物の老朽化などの課題先進国であるため、非常に有利であり、ネガティブな側面は言い換えればドローンやロボティクスが導入しやすいチャンスとなります。導入することにより国がより力強くなる可能性を秘めています。実際に日本は2022年に有人地帯におけるドローン飛行を、2023年には空飛ぶ車の実用化を目指すと閣議決定されました。国はとても前向きに取り組んでいます」

と日本政府の取り組みについて言及しています。

DTRC2019実行委員会には空飛ぶバイク『Speeder』を開発することで話題を呼んだ株式会社A.L.I Technologiesも参画し、同レースイベントではレース状況を把握するためのモニタリングシステムの開発などを担っています。同社の代表取締役社長及び、DTRC2019実行委員会 副実行委員長を務める小松周平氏は今回のDTRC2019の開催について、以下のコメントをしました。

「今回のドローンレースは東京モーターショーで掲げるオープンフューチャーの目標でもある、”車も空も分け隔てなく一緒に開発していく理念”に基づいて取り組んでいます。今回ドローンレースを行うことにより我々がドローン主導国であるというプレゼンスを高めることに期待し、また、ドローンレースは身体によって生じる差は少なく、無差別級の戦いが行えるレースです。当日行われるレースは国内では初の複数機のドローンが同時に飛行するレースです。ドローンレースを知ってもらうためには多くの方々に観戦して頂く必要があり、日向坂46をアンバサダーに迎え、エンターテインメントとコラボした最高のレースにしていきます」

 

政府がエアモビリティとドローンの普及を後押し

DTRC2019実行委員会実行委員長、衆議院議員 今枝宗一郎DTRC2019は民間企業だけでなく政府も関わっており、今回のレースがドローン業界の展望にとって重大な役割を担うことが伺えます。今枝氏は衆議院議員として高い実行力と議員連盟の結成をもって日本のドローン推進を行ってきました。安心安全を担保しつつ前向きにドローンを推進することで、2022年にレベル4の目視外飛行を実現することを日本の目標とし、閣議決定に結びつけました。

今枝氏もまた、DTRCがドローン業界にもたらす効果について言及しており、

「民間企業などの団体と協力していけば世界と十分に渡り合い、日本が世界最速でレベル4の実現が可能です。20年後エアモビリティが常識となった時代に何が分岐点となったきっかけか問い直した時、このレースがその一つであったのだという日が来ると信じております」

と日本のドローンの未来への抱負を語り、ドローンレースにおける競争やルール作りがドローンを普及させていく上で、大きな基盤になることを示唆しています。

 

プロのドローンレーサーが集い迫力のあるドローンレースを実演!

DTRC2019事前発表会では、日本で屈指の実力を持つドローンレーサーを集め、ピストン西澤氏の進行のもとドローンレースのデモンストレーションが行われました。プロレーサーとして活躍する選手は専業主婦や小学生など、子供から大人まで目指すことができ、ドローンレースは誰でも楽しむことができる競技です。

各選手はマイクロドローンをFPVで操縦。会場に設置された複数の輪っか型のゲートを順番に通り抜けていきます。ハイスピードで飛行するドローンが障害物のコースを縦横無尽に駆け巡り、スクリーンにはドローンに搭載されたカメラ映像を映し出すことで、レースの状況を観客が把握できるようになっていました。同レースでは、今まで以上に観客を楽しませる工夫を凝らしており、ドローンレースの新しい魅せ方に注力しています。DTRC2019では30名の選手の参戦が決定し、熱いバトルが繰り広げられます。

 

観戦の魅力を引き出すモニタリングシステム

ドローンレースは非常にハイスピードで行われるため、飛行しているドローンを観戦していてもイマイチ状況把握がし難い傾向にあります。そのため、A.L.I TechnologiesはFPVゴーグルの映像をリアルタイムで観戦できるシステムを開発しました。これまでカメラ映像をスクリーンに伝送するシステムは様々なレースで見受けられましたが、コース上のどの位置をドローンが飛行しているかなども把握することができ、より解りやすいモニターレイアウトで提供します。

モニタリングシステムを開発した同社のレーシングエンジニアである松留氏は

「ドローンレースはさまざまな団体で開催されていますが、演出力に注力しているレースは少ないです。ドローンレースは競技者が楽しむ内容になっており、観客が置いてかれている傾向にあります。多くの来場客が見込める同イベントでは観客が楽しめるレースとして盛り上げていきたいと思います」

と観戦者目線の魅せ方について言及しています。モニタリングシステムは各選手のリアルタイム順位やラップタイムを表示。レースで使用されるゲートに特殊なマーカーがプリントされており、それをドローンのカメラで解析することにより、情報の把握を可能にしました。これは世界初の技術であり、現在特許を申請している状況だといいます。

松留氏は今後、

「ARなどのエフェクトを追加したり、観戦者が選手を応援するとドローンのスピードが上がるファンブーストといったゲーム性を加えていきたいと考えています」

とドローンレースにおけるエンターテインメント性を充実していきたい考えを述べました。

 

公式アンバサダーに国民的アイドルグループを起用!

日向坂46のイメージは、ドローンの「空」というイメージと共通する点が多いことから起用が決定しました。イメージカラーが「空まで高く飛べるように」という意味が込められた「空色」であることや、代表曲の「誰よりも高く飛べ!」が空の移動革命を連想させる内容となっていることから公式アンバサダーとなりました。

■レースについて
会場:DRIVE PARK(青梅G1地区 TFTビル横)
実施日:11月1日(金)予選、11月2日(土)決勝

■カンファレンスについて
会場:東京ビッグサイト 会議棟(仮)
実施日:11月1日(金)